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もちろん無理には勧めませんが出来れば第1回目の記事をまず読み流して頂ければと思います。
どんな方向に向かっていてどんなスタンスでやっているのか分かると思います。
すみませんねぇ、なんか押しつけがましい性格みたいです・・・
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青森県鍬形採集案内 2017年8月12日・16日 [日昆 採集記 【2017年】]

旅行にしろ何にしろ、
「コイツが居ると何故かいつも雨が降る」
と云うような引きの悪い人間はあなたの周りに居ないだろうか?

これは、とある県外の方に青森県採集を案内した2日間の記録である。


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廃車同然の愛車が新しい中古車(・・・)に替わった今年2017年、
ひと月ほど前の話だ。


  8月12日

大雨に見舞われた去年の採集案内から約1年。

お盆休みの真っ只中である。
この日自分はとある山中の道の駅で、ある方の姿を探していた。時刻は昼11時



?? 「お店に入ればいいのかな。今駐車場にいるよ。」

とショートメールが着ている。
駐車場でずらっと並ぶ車を見て回っても色んな所のナンバーが停まっていてどれが彼なのか判らない。取り敢えず電話をかけながら道の駅に向かっていくと、店の入り口から出てきた彼を肉眼で確認。
お互い耳に当てていたケータイを下ろし、手を挙げて挨拶する。



自分 「お早うございますMUさん~!」


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去年、YH氏を青森の採集(と云う名の苦行)に案内したのだが、サブタイトルの通り今年も縁あって関東の方を一人案内する事になったのである。
その人がこのMU氏と云うワケだ。


MU氏と初めて会ったのは2年前のお盆、このブログで記事にもした黒石産のヒメオオを開拓した直後の事。青森市内に戻ってファーブルハウスに立ち寄り話をしていたところへ、家族連れでMU氏が入ってきたのである。

 【黒石産のヒメオオ】
   ⇒ 2015-8-15 『黒石市のヒメオオクワガタ』


その時ちょうど自分は採ったばかりの黒石産ヒメオオを手に持っていたので、MU氏がこれに食いつき「これは何というクワガタなんですか!? 今採ってきたばかりなんですか!?」と虫談義がはじまった。
MU氏は東京都から来た飼育初心者と云う事らしく、どんな種類を飼っていて・・・などの初歩的な会話から始まった・・・と思うのだが(うろ覚え)、ある話題がMU氏の口から出てきたことでその場の空気の流れが変わった。・・・いや変わったと云うよりは止まったと言うべきか。

MU氏 〇〇〇産のオオクワガタってあったりするんですか?」

聞くと、MU氏の奥様が青森県津軽地方の〇〇〇の出身らしく、お盆に家族連れで青森に来たのは奥様の実家へ行くとの事だからだった。その流れをもって、その〇〇〇産のオオクワが居たら欲しいな・・・という話だった。

その市町村名は県内の人間でも目を向けることが無い空白地・・・である。
この後の詳しい会話の内容は覚えていないが、話は何らかの広がりがあったと思う。
しばらくの虫談義の後、話題についていけない子供達の様子を察してかMU氏は後ろ髪を引かれるような顔で渋々退店していきこの時は終わった。

自分も鈴木さんも、この時この人とどんな話をしたか、普段なら気にもせずしばらくしたら忘れていたかもしれない。
その具体的な地名が出ていなければ。


そして同年の秋、11月の事。
この頃自分は青森県産のヒメオオクワガタのマニアックな産地を何ヶ所かネットオークションに出していた。

その内の一つに、質問が付いた。
「出品と関係なく失礼ですが、〇〇〇産のオオクワガタを探しているのですが云々・・・」
青森県産のオオクワを欲しいと云うなら何とも感じなかったのだが、わざわざオオクワの産地としてこんな突拍子もない所を具体名まで書いて問い合わせてくるのは、もしかしたらお盆のあの人じゃないか・・・? とすぐに見当がついた。自分の出品物にわざわざオオクワの質問を書き込んできたあたりも、何か個人的に無視できないものがあった。
記載されたメールアドレスに直接返信する事にし、件の彼とは別人だった時のことも考えてその辺の前置き・青森県のオオクワガタ事情に関する概要・稀少産地の地元での取り扱われ方などをまとめて書いた。

すると、返ってきたメールでこの人が例のお盆の方であると合致。
青森県産のヒメオオと云うヒントからかここがお盆のあの場所につながるのではと思い、思い切って質問したとの事だった。
そしてこちらの回答内容に対しての理解と自己紹介が書いてあり、これを機にたまにメールのやり取りをすることになったのであった。


そして更に月日が過ぎ今年の2月の事。
メールを開くと、飼育採集の前文の後に、「今年のお盆クワガタ採集ご同行させていただけないですか。おいしい食事付きにしますので。」とポツリ。
うーん・・・正直困った。YH氏の時と重なる。自分が採集の達人か何かだと誤解されてしまっている。特に去年の一件で相当酷い目に遭わせてしまった経験があるから余計に気が引ける。
取り敢えずこの件についての返答には、
「去年このような感じで一人案内しましたが当初の予定が大幅に乱れまともにクワガタが採れなかったし、自分についてくるのは罰ゲーム以外の何物でもないですよ」と綴った。
自分としてはいくらメールでやり取りしていても、飼育オンリーの人達の中には、『採集を楽観視し過ぎ、いざ採集に同行して貧果に終わったらクレームを付けてくる』タイプの人が一定の割合で存在するという考えが本音にある。

しかし予想に反してMU氏の反応は前向きだった。

「罰ゲーム受けさせてください(笑)」

ここだけ抜粋するとただのマゾヒストだが、かなり意欲的で決心も堅そうなので、今年までならあと一人なんとか案内出来るかもしれないと前向きに考えることにした。
メールの最後に「採集と言う採集をしたことが無いので、プロの採集を見てみたいなと。」と書いてあったのは戸惑ったが。

今年は去年と違ってハイワット機材を入手するから、最悪雨天の場合でもHIDハンディライトのようにクワガタが全然飛んでこない危険性は回避できる。
そして今回はヒメオオの日程は組まない。これさえなければゲストを悲惨な苦行に付き合わせる事も無い。よし、これで行こう!

それ以降、メールやゴールデンウィーク時の来県で話を交わしていたが、
こちらがまだハッキリと決断を出していない段階で「食事だけでも楽しみにしております!!」と返ってきたことや、初めて行ってきたKUWATAの即売会イベントの話や他のメールの内容を見るに、
この人は採集だけと言うよりも人に会うのも楽しみにしているんだなと納得した。

プランとしては、
十和田でライトトラップ
奥様の地元〇〇〇でライトトラップ
の2択を考えたのだが、
やはり夏に県内外から採集者が訪れ賑やかになる十和田の方が楽しかろうという事で前者に決まった。
日程も決まり、夏が近づくにつれてEメールやショートメールの回数は増えていった。

当日の流れは、
MU氏には帰省先の奥様の実家から朝方に出発してもらい、場所取り・現地一帯の下見を兼ねて午前11時に現地集合。昼食と軽い観光を済ませ人気ポイントの場所取り。虫話やらをしながら夜まで待機してライトオン、採集を終えたら全日程は終了と云うワケだ。


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当日の朝へと話は移る。

MU氏から、「道すいてた。。到着してしまった(笑)」とケータイにメールが入ったのは予定より1時間半も早い午前9時半
それもそのはず、当初お盆期間の街中の混雑を見越して出発目安時刻をMU氏に伝えていたのだが、その混雑が全く無かったために渋滞に巻き込まれることなくスムーズに到着してしまったからであった。

混雑が起きなかった原因、それは何を隠そうこの日雨だったからである。
またこの展開かよ・・・
実は雨と言うのは数日前から既に分かっていた。分からないのはどの程度強く降るのかという事。最悪な事にお盆期間中はこの日からずっと雨の予報だったので、回復するかどうか分からない状態で延期にするよりも、影響が弱いであろう雨降り初日に強行した方がまだましなのではないかと博打を打ったのだった。

自分の方は今用意が出来たばかりだ。慌てて家を出る。


MU氏は暇潰しに蔦温泉に朝風呂に入ろうとしたがちょうど清掃中で入れなかったらしい。急がなくては。
重い機材を載せた車を走らせていると、道中無音のままではいつものトロトロ運転で到着が遅くなってしまうので、音楽を爆音に鳴らして勢い付ける。
今日この悪天候の中、ライトトラップすると決めたのだ。普通種がそれなりに来てくれれば御の字だが、どうせハイワットを使って青森で採集するんだから名実ともにいいミスター・ミステリーをあくまで狙いに行く。色も渋くワイルドなクワガタ界のキングを・・・

・・・とかナンとか特定の人にしか分からないフレーズを耳に残しつつ、
十和田市・奥入瀬の道の駅に到着したのである。





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CA3I0703.JPG
レストランが込み合ってしまう前に昼食を済ませる事にした。
普段十和田には夜しか来ないのでレストランに入ったことも無かった。初めてここで食べるのでMU氏にはこれと言って薦める物も分からず、まぁ十和田ですから八戸せんべい汁より十和田バラ焼き定食の方がいいんじゃないでしょうか・・・MU氏は十和田バラ焼き定食を頼み、自分はりんごカレーをご馳走になる事に。

カレーがテーブルへ到着し、バラ焼きも到着。バラ焼きは目の前で生から焼くようになっている。
肉に火が通るのを待つ間、虫話の流れになるのは必至だ。いつも日常的に話をしている間柄なら基本的な話題も出尽くして何を話すかある程度決まってくるのだが、そうでない場合色々話題がありすぎてどこから何を話そうか迷ってしまう。

今日の採集プランも伝えておかないといけないかな。
実はこの時点で、採集プランがグラグラしていて中途変更になるかもしれない状況にあった。現在十和田には線状降水帯とでも呼べそうな細長い雨雲がかかっていて、雨雲レーダーで今後予想を見ても雲の移動がずっと十和田から離れず雨も止みそうにない。
No.7も今日後から十和田に来るという事で、道中の天候を見てもらい雨が躱せそうなら最悪の場合十和田市外に出てライトをしようかとも考えていた。
MU氏も、「どうぞお気を使わずにどこへでも自分は大丈夫です!」とプラン変更の可能性にも理解を示してくれた。

そして、MU氏は飼育屋という事もあって自然と飼育関係の話へ。
彼は現在国産物のみで飼育歴が3年ほどながら、現在マルバネやミクラミヤマなどマニアックな種類に嵌まっているとのことで、離島の採集禁止事情などの昨今の昆虫を取り巻く環境も真面目に勉強している。
また、飼育に嵌まりたての人が陥りがちな、『怪しい生体を知らずに買ってしまう』というような失敗を回避する目を既に養っていて(失敗談も聞いたが)、ネットオークションの出品でも怪しい物とそうでないものの判別が付くようになっているという。去年青森県産の野外品オオクワガタの出品が地元の採集者同士で(悪い意味で)話題になった事があったが、MU氏もこれを見た時警戒したという。
そういえば最初にネット上でやり取りしたきっかけも、単なる生体出品のページから人物像を推測して質問されたからだったな。
某オオクワ専門店の話にも触れたり、使用マットや管理温度帯の話もしたりと、カレーが冷めているのも忘れて話し込んだ。

気が付けば空いていた他のテーブルも客で満杯になっていた。


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腹も膨れたので自分の車に載ってもらい、観光とライト設置場所の下見をする。

MU氏から最初の挨拶の時にお土産を頂いたのだが、FH鈴木さんにもお土産を渡したいという事で電話してみると、この後鈴木さんも十和田入りするとの事でこの後合流することに。
No.7とも電話で打ち合わせながら逐一予定の確認をしていく。


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以前青森に来たとき奥様の実家のある〇〇〇でアカアシを採集して持ち帰り、WF1の♀が1頭羽化したとMU氏が言っていたので、
その婿が採れれば土産になるのではないかとふと思いつき、まだ時間はあるので近場のアカアシポイントへ案内することにした。

MU氏に上下雨具を着てもらい、自分はタオル1枚頭に被って林道へ歩いていく事に。
予期せず去年のYH氏と似た展開になっていることに気付く。

CA3I0702.JPG
アカアシやヒメオオを探す時はこんな感じでヤナギを見ていくんですよ~と探す木を紹介していく。しかし、探そうにもそもそも今年は例年になくアカアシが少ない。アカアシが発生する直前に多量の大雨が襲い羽脱前の成虫に深刻なダメージを与えたからと思われ、ライトトラップでも今年はアカアシシャワーが起きていないのだった。
おまけに今日も朝から雨で地面も木もビッショリのため、アカアシどころかクワガタ自体発見することはできなかった。


採集と言う名の只の散歩が終わりに向かっていたこの頃、鈴木さんから電話が来た。
十和田に到着し、ドライブインで皆で話をしているという。

車に戻り、ドライブインに向かう。すぐそこだ。


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2人で中に入ると、鈴木さん、県内採集者で常連の八戸のM氏、そして東京から毎年十和田に採集へ来ている採集者の方の3人が席についていた。
オオクワの話を中心として、採集のエピソードを聞きながら時間を過ごす。
雨で余裕があった場所取りの時間も、そろそろ余裕が無くなり我々もポイントを確定しなければならなくなった。
十和田でやるか市外に飛んでいくか迷うがどちらも一か八かだ。
結局この十和田界隈でライトを点けることになり、No.7もこちらで合流することになった。

※後日現地に行って判明した事だが、実はこの時候補として迷っていた市外のポイントは、土砂崩れによって道が塞がれ入れなくなっていた。

ドライブインを出る間際に無事MU氏がお土産を鈴木さんに渡し、
今日望みがありそうなポイントへ向かった。
八戸のM氏は得意としているポイントXへ、
東京の採集者はポイントZへそれぞれ向かった。


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鈴木さんと我々2人はポイントYへ到着。
まだ夕方、16時半過ぎと時間がある事で八戸のM氏が差し入れを持ってきてくれた。
そしてNo.7も合流し、雑虫の話や採集機材の話が5人の雨の間を持たせてくれる。
CA3I0704.JPG
使用機材もセッティングを済ませておく。この日使う投光器は、マル秘改造処理を施した特製版・・・として初稼働させる予定だったのだが、前日に急遽友達から招集がかかり参加を余儀なくされ作業が途中でストップしてしまい、加工途中の汚い状態を晒してしまう事になった。

そういえばまだMU氏の車を道の駅に残し荷物もそのままだったので、
荷物を持ってくるため彼の車まで戻った。
必要な道具を積み込み、ポイントへ戻る。当初は晴れている市外のポイントと迷ったが、こうして現地で色んな人と交流することが出来た事を考えると十和田に残って正解だったようだ。

「アカアシの♂要るんだって?」と鈴木さんがケースから小粒の♂を取り出し、MU氏にプレゼントしてくれた。いきなりポッと渡されたのでMU氏も慌てる。

周囲も暗くなってきて、自分の持ち場へ戻るM氏はここでお別れとなり、残った4人で夜を待った。


CA3I0705.JPG
19時になり、発電機のエンジンをかける。

普通種の飛来すらこの日どうなるか心配していた中、クワガタがポツリポツリと飛んできた。

CA3I0706.JPG
地面を歩くノコギリは水でテカテカ光っている。

しかし、5~10分おきに何かの♀が1頭落ちてくるのを4人でウロウロしながら採っていると非常に少なく感じる。
やはり天候が悪いだけに仕方ない。MU氏は離れた場所に付いていたりしないかと気になったのか、遥か後ろのヤナギの幹をハンディライトで照らしている。

すると2つの光が後ろからやってきた。車のヘッドライトだ。降りてきたのは、さっきドライブインで顔を合わせた東京からの採集者の仲間の人だった。
鈴木さんが居るという事を聞いて様子を見に来たようで、ボソボソっと鈴木さんと現状確認だけしてサラッと戻っていった。どうやら東京組が入ったポイントZも飛来状況は最悪なようで、現状で普通種が1・2頭しか来ていないと言う。

20時を過ぎ本格的な飛来時刻に突入して暫く経つが、まとまった飛来がない。


実はこの時、あるライトトラップ現場に小さな奇跡が起きていた。


雨は全く止み間も無く、ガスも度々降りてきて照射先が白く光ったりもして状況はちっとも良くならない。時間も経って20時半・・・21時・・・21時半・・・ノコミヤマの♀しか飛んでこない。たまに大きな音がしたと思えばカブトの♀である。

♀、♀、♀、♀、♀、♀、♀、♀、♀、♀、♀、♀、♀、♀、♀・・・とにかく♀。♀しか来ない。
小さい♂くらい来てもいいんだがなぁ・・・いや小さかったら♂の有難味も無いか・・・


もうすぐ22時という頃になり、飛び回るガも落ち着き場がダラけてきた。
すると、2つの光が後ろからこちらに近づいてくる、夕方に一度別れたM氏の車だ。

M氏が入ったポイントXでは、事情によると家族連れを案内するため雨ながら同じく奮闘していたらしいのだが結果は空しく普通種が6頭・・・オオクワは採れなかったようだ。

CA3I0707.JPG
タッパーの中はだいぶ隙間がある。容器に付いた水滴がこの採集条件を物語っている。
ちなみにミヤマの♂が入っているのは、戦意喪失したM氏が自分の分の6頭をこのタッパーに足したからだ。
「じゃぁボクはこれで・・・」とM氏は帰っていった。

結局この日ポイントYで採れたのはカブトも含めて15頭。これでも、数だけなら3ヶ所の内で今日一番多いくらいだ。ちなみに今日は天候が悪すぎてこのX・Y・Z以外の場所には誰も採集者は来ていなかった。
クワガタシーズン後半らしさが、ミヤマよりノコギリの方が多い事からも窺える。
我々も限界を感じてきたので、皆で撤収作業を開始しこの日の採集個体を全てリリース。
全員で自然と円陣が出来上がったところで、

自分 「と云うワケで~、本日はこれにてフィニッシュ!」

解散した。


鈴木さんとNo.7がそれぞれ車で帰り、我々は道の駅へ戻る。
MU氏の荷物を元の車へ積み戻し、青森市までは帰り道が一緒なので帰路を先導することになった。


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CA3I0708.JPG
八甲田に入ってなおも降り続く雨。容赦ねぇな。


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日付が変わるまでそう時間も無いくらいの時刻にはで八甲田を下り終えて青森市内へ。
麓のコンビニの駐車場で最後に2人で反省会を開く。

貴重な体験が出来ましたと言うMU氏に対して、自分では理想としていた採集の半分も見せられていない事もあってその言葉を素直に受け止めることはできなかった。
飛来は少ない、♀しか飛んできていない、飛んできている様子をまともに見せていない、・・・オオクワが来ていない。
うん・・・そうだな・・・YH氏の時もそうしたしな・・・


自分 「お盆の間に、もう一日ライトトラップに行きましょうか」

MU氏 「おぉっ!!? マジですか!!?」

自分 「流石にこの内容では自分が納得できませんし、
     去年案内した人の時も2日間やりましたしね~・・・どうでしょう?」

MU氏 「いいですね!! よかったぁ~いやぁ自分ももし出来ればと思ってたんすけど
      自分から言うのは申し訳ないのでそう言ってもらえてありがたいですよ!」

自分 「では決まりですね!」

雨が止むことを願い、数日の間を空けてからライトトラップ・リベンジを行う事に決まった。
予定は明日以降に詰めていく事にしてこの日は解散した。


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  8月13日

解散の1~2時間後、深夜である。鈴木さんから突如連絡が入った。



鈴木さん 「ポイントZに入った〇〇さん(東京の人)
        今晩飛んできた数は全部でたった6頭だけだってよ」

自分 (Mさんと同じか・・・流石にあの人でも昨日は厳しかったんだな)




鈴木さん 「その3つ目で見事にオオクワの♀採ったって」

自分 「エエェェェぇぇぇぇぇーーーーーー!!!!?」

昨日あんなに天気悪かったのに、一日中雨降ってたのに採ったのか・・・!
時刻は20時20分頃、ほぼほぼ本格的に飛来が始まる時間帯だ。鈴木さんに状況を聞きに彼の仲間がこちらへ来た時、1~2頭しか来ていないと言っていたがその直後・・・いや正に丁度その時に現場では奇跡が飛んできていたという事か。

この夜を体験した者としてはそのニュースは眠気を払い飛ばすには十分すぎたが、鈴木さんの口調は淡々としている。
まぁそれもそうだ、鈴木さんならオオクワの1♀くらいで驚いたりしないだろう。それが悪天候であってもだ。地元特権で雨の日も風の日も採集に行ってはオオクワを何度も採ってるワケだし。勝利を収めたその東京の人だって、この道のプロと呼ばれて久しい人物だ。そんな人に嫌味も僻みも無い。

しかし鈴木さんには単なるプロの意地と云うのとは違うニュアンスを含んだ言い方をした。



上手く回収したね。



・・・だったか、正確に何て言ったかもう忘れたがこんな意味合いだった。
訊くと、実は東京の人が入ったポイントZ前日に鈴木さんがライトを焚いていたのだと言う。つまり11日の夜の事だ、この日鈴木さんはこの東京の人に十和田の近況を教えるために久々に十和田のこのポイントでライトをかけた。
このところ十和田以外のマニアックなエリアばかりに行っていた所為で十和田の状況が分からなかったからという事だ。しかし、本来は低ワットの機材がベストなこのポイントで鈴木さんは400ワットの水銀灯を使ったらしい。400ワットだと少々役不足だが、二晩前にこの球の取扱いを誤り壊しかけた経緯があってその点灯確認もしておきたかったが故にこうなったのだそうだ。
この晩は採集条件も悪く期待薄だったが普通種は60頭を超える飛来があったが、オオクワは採れなかった。ガスや雨の影響もあり、400ワットの出力と云う事もあって、鈴木さんの見立てによると、「この晩ははじいたヤツがいたかも知れない」との事。

あまり細かく長々書くと鈴木さんに怒られるのでもう止めておくが、
東京の人が採ったのは腕前以外の何物でもない、しかしその裏に人気スポットで結果を左右する『連日の流れ』のようなものを見た気がした。


ひとまず、この奇跡を報告せねばと、〇〇〇の奥様の実家に無事着いた頃だろうと午前2時半にMU氏へショートメールで連絡。
「すごーい!! オオクワ見てみたいな!!」と反応がすぐ帰ってきたかと思うと続けざまにメールが。
なんと今まで家の近所の外灯を回り採集をしていたのだと云う。残念ながらそこでも♂のクワガタは落ちていなかったらしい。


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日中をまたいだこの日の晩、鈴木さんから連絡があった。
ここ連日雨なのでどうする? というようないつもの電話なのだが、前夜の結果に満足できないのでMU氏をもう一晩ライトトラップに案内すると言うと、「それは良い」と週の内で天気が良さそうな日を選ぶ会議に変わった。

この後自分は15日までは盆休みだが、翌日から仕事。
対してMU氏は18日まで青森に居るとの事だ。この昼に東京へ帰る予定。
鈴木さんによると、「天気予報では16日、もしくは17日が天候の回復が見込める」という事だった。
・・・盆明けか・・・
18日に東京へ戻るのなら前日の晩に十和田まで引っ張り出すのは気が引ける、となると決行は16日にするか。
しかし一番の問題は当日の入り時間だ。仕事終わりの夕方に青森市を出発して十和田に着くと当然他の人に場所を取られてしまう。出発時刻が早まる事は無いので十和田広しと言えども現場到着が遅れる遠場や奥地のポイントは行けない。やはりX・Y・Zあたりのポイントがいい。
こうなったら仕方ない、MU氏に先に場所を取ってもらうしかない。
MU氏にメールを打つ。

自分 「リベンジ採集、16日になりました。場所は十和田ですが、自分は仕事があり
     17時半以降に出発するので現地集合としましょう。
     ポイントXで待ち合わせそこで採集しましょう。
     暇潰しが出来る範囲で場所取りして待っていただければ問題ありません。」

MU氏も16日が一番良かったようで、場所取りに関しても12日の案内で東北の採集事情を紹介していたのでこちらの当日の事情を汲み取ってもらい快諾してもらった。
ポイントの場所も12日のポイントYを除いて、ポイントXだけはその日の当初の予定と決め込み紹介していたので、一人でも来れるだろうとここを指定した。


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それからリベンジ採集を見据え、14日までに改造処理途中だった投光器を仕上げ完成させ、15日に南津軽方面へ完成した投光器の試験点灯を行った。なおこの時は、場所の選定をミスった初ポイントで点灯し、20~30頭のクワガタ普通種を全リリースして帰った。


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  8月16日

青森市内は日中晴れている。
午後になって鈴木さんから連絡が来る。

鈴木さん 「お前今日仕事なんだろ? 場所取りは? MUさんに先に行っててもらうって?
        なるほど、じゃぁワ(俺)が先行って場所取っといてやるよ。
        MUさんには土産も貰っちゃってるし、何かでお返ししにゃマイ(ならんでしょ)

こうして急遽助け舟も出してもらい、MU氏へ連絡。
鈴木さんが先に行って待ってるので合流してくださいと伝える。

しかしその後15時半に鈴木さんからまた連絡。
なんとポイントXは濃霧でガスっていると言う。予定変更してポイントZに入ったのでMU氏にこっちへ来るよう伝えてくれとの事であった。
今日でさえ厳しいのか、と小さく落胆しつつ重大なことに気付く。MU氏はポイントZの場所を知らない!
MU氏に電話を入れる。この時彼はちょうど八甲田を縦断中であり、山の電波の悪さに会話を詰まらせつつもなんとかこうにかポイントZへ向かってもらった。

ちなみに書く必要はないが、この時自分はまだ仕事中である。


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時刻は夕方17時半、漸く仕事が終わった。直行で十和田へ向かう。

山に入ると今日こそはと言うような晴れ空。風が少し強いのが気になるが、雨よりはマシだ。ポイントXはガスが濃いというが、現地は今どうなっているのだろう?

八甲田に入りある程度標高を上げたところ、ある場所を境に景色は一変した。
正に場面が切り替わったように霧に・・・いや濃霧に包まれたのだ。さっきまで晴れ渡り風が吹いていたのが一変、無風になり空も見えないような濃い霧の風景に切り替わった。

さらにこれだけではなく、景色が変わってから2~3km進んだあたりからボタボタとフロントガラスに水滴がぶつかるようになってきた。今日も降るのか!
現地へ近づくにつれて雨音も大きくなり地面も斑模様から真っ黒に光るようになった。
去年のYH氏の2日間、そして今回のMU氏の2日間を加えても降水確率100%キープである。


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19時前ポイントZへ到着。車を停めてMU氏と鈴木さんに合流する。

CA3I0728.JPG
ただ単に「待ってたよ」と云うのとは違う気持ちを込めた表情でこっちを見る2人。
うん・・・なんか言いたい事は解るよ・・・

濡れた地面を写すのが今年はやたらと多い気がするが、まぁ気にしない。

「これ、No.7さんにもどうぞ!」とMU氏からNo.7の分も合わせて今日もお土産をもらってしまった(この土産は週末にNo.7へと渡した)。そのお返しがこの天気というのは何とも情けない。




鈴木さん 「これ見てみろ」

そう指差された先に近寄ってみると、コンクリートの地面がやたら白くなっているのに気付いた。
ガだ。通常このポイントで投光器を置く位置一帯が大量のガの死骸で埋め尽くされ、雨も手伝って汚く散らかっている。

自分 「昨日誰かここで焚いたんだ・・・」

しかもこのガの量を見るに、小さな灯りでなかったことは明白。400ワット、もしくはそれ以上の大出力でライトトラップしなければこんなに散らからない。
こんなことをしたらクワガタもはじいてしまうだろうに・・・・・・ん? ・・・という事は・・・・・・!

鈴木さん 「条件はこの前と同じ!可能性はある」

鈴木さんが前日にデカいのを焚いた後に東京の人が1♀採った12日の状況に似ている。奇しくも天気などの気象条件もほぼほぼ同じだ。上手くやればこの天気でもオオクワに出会えるという事だ。


ドキドキしながらライトのセッティングをする。
せっかく完成した投光器もここでは大きすぎるので出番は無し、HIDハンディライトを2灯使うことにした。

CA3I0729.JPG
19時15分、リベンジ開始。

普通種ゼロの心配も直ぐに無くなり、時間が経つごとに飛来のペースも上がってきた。劇的なほどではないが12日のポイントYの時よりはハイペースだ。
青森に来てから毎晩のように近所の外灯回りをしていたというMU氏も12日分も含めまだ♂を野外で見ていなかったが、今回は♂が僅かに飛んでくるようになった。大型個体なら嬉しい所なのだが、実際は小さい物ばかりで思い切り喜べない。

路面が濡れて着地個体が判りにくいので3人で交代しながら見回っていく。
ガの鱗粉が水溜りに浮き、そんなところに落ちてきたクワガタを拾うのはちょっと抵抗がある。

しかしゴールデンタイムが訪れても飛んでくるのはノコギリの♀がほとんど。時々ベヂンと大きな音がするが期待せず見に行くとやはりカブトムシ、ノコギリカミキリ、そしてクロシデムシである。

21時を過ぎて段々飛来のペースが遅くなってくる。雨は相変わらず降り続けている。



そして、22時手前でリベンジの敗北を認めた。
鈴木さんが入念に最後の回収作業を進めるが反応は無い。

やはり上手くいかないか。改めてこないだの東京の人の凄さを思い知った。

皆で片付けし、解散となった。今日ここまでに至るまで、長いようで実に短かった。
前回と同じく、自分の後ろについてきてもらい青森市内のコンビニまで戻ってきた。こちらは憎たらしいほど晴れていた。


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最後、いつも使っているガソリンスタンドで給油した後、
「お疲れ様でした~」「ありがとうございました!」と別れの挨拶を交わし、通りも疎らな国道の向こうへ消えていくMU氏を見送った。


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こうして2017年の採集案内もグダグダに終わった。

この翌日、土産のお礼にと、鈴木さんがMU氏の居る〇〇〇でアカアシのルッキングを行ったという。この日も比較的厳しい現場環境だったようだがなんとか採集に成功したようである。
アカアシやオニなど、青森のクワガタを土産に18日MU氏は東京へ帰っていった。


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今年のお盆の出来事は以上。
肝心の採集が不完全燃焼に終わりながら、自分としても濃密な1週間だった。
降水確率100%の採集案内は、自分には不向きな役柄だったんだろうな。滅多な事はするもんじゃないなぁ・・・


ただ、縁があってこうして採集案内に自分を選んでもらったという事を振り返ると、蹉跌を重ねたままこのイベントを完結できない。




と云う事で採集案内自体は終わっているが、実はまだもう少しだけ続きがある。






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青森県鍬形採集案内 2016年8月27日~28日 [日昆 採集記 【2016年】]

旅行にしろ何にしろ、
「コイツが居ると何故かいつも雨が降る」
と云うような引きの悪い人間はあなたの周りに居ないだろうか?

これは、とある県外の方に青森県採集を案内した2日間の記録である。


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自分で言うのもおかしいが、いつも無謀な林道へ突入していってはどこかしらにダメージを受けて帰ってきてはまた無謀な林道へ向かっていく愛車も、約4年半のダメージが限界に達し去年の10月頃に別の車に乗り替えることになった。

その「トドメ」となったかどうかは分からないが、
確実に寿命を急速に縮めた出来事がこの年の夏にあった。

その日はいつもの採集とは少し事情が違うものだった。懐かしい思い出である。




去年の話だ。


7月のある日、ブログのメールフォームからメッセージが届いていた。

メッセージの送り主は、ブログにたまにコメントを入れてくれるYH氏だった。
今回フォームからコメント送りましたと挨拶から始まり、内容の核としては
「8月の後半あたりに青森へ行く予定なのですが、もし良ければ採集に同行出来ませんか?」
という事だった。

このYH氏は、度々ブログで差し挟む特撮ネタをしっかり拾ってくれる方で、コメント欄で度々やり取りもしていた事もあり、その晩の内に明るい返事をすることに。
返信内容には、こちらで案内できるのはこの時期HIDハンディライトを使った灯火採集ヒメオオクワガタのルッキング採集の2つで、ご意見を求むと云う旨を盛り込んだ。

このYH氏は神奈川の方で、お義父様が青森のむつ市出身という事で青森に縁があり当地での採集に興味を持ってもらえたというワケだが、関東の人に「東北らしいクワガタ採集」を味わってもらうにはこのライトトラップかヒメオオのルッキングのプランが最適と判断したためだ。
それに当日の天候の問題もあるので、夜(ライト)が厳しいなら昼(ルッキング)、昼が厳しければ夜、とプランを2パターン作っておけば対処もし易い。
・・・とは言え初めて採集案内する方に変に期待させてしまうのは採れなかった時に申し訳ないので、具体的な採集のリスクを伝えないわけにはいかない。
自他含めて、ブログの採集記などは採れるまでの詳細を省き、すぐに採集を始めているかのような、すぐに本命の虫を採っているかのような誤解を与えかねない内容になっている物も少なくない。勿論、想像力を通常持ち合わせている人ならば記事通りにサラッと採っているとは思わないところだが、念のため

ライトトラップの場合・・・
 ・HIDハンディライトしかないので大量の飛来は望めない事
 ・8月末頃ではボロボロの虫が多くなる事
 ・場所取りが上手くいかず適した場所でその日採集できない可能性がある事
ヒメオオ採集の場合・・・
 ・車を降りてから最低1~2km歩かないと採れる木に辿り着けないかもしれない事
 ・その上で採れたとしても2桁採れない場合もある事

を伝えたが、心配を察してか気遣い頂き「運ですからボウズでも大丈夫ですよ」と返ってきた。
YHさんが大人な方で良かった・・・それとも常日頃から貧果ばかりの採集記を書いているせいだろうか。

日取りも大方決まり、採集時の持ち物も伝え、残る事項は一番大事な「採集プラン」。
ライトとルッキングの両方をそれぞれ単品日程で予定組みしてメールしたところ、どちらもやった事が無いという事でどちらにも興味があるとの事。
せっかく遥々こんな北国まで来てもらっておいてどちらか一つだけを選ばせるのも酷な話・・・最終的には、その2つのプランのどちらも体験してもらおうという事になり、8月27日の夜にライトトラップを、翌28日の昼にルッキングを行う事で決定した。


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8月も下旬になりいよいよあと数日で予定の日・・・と云う頃、
ようやく当日の天気予報が分かるようになったが悲しきかな予報は厳しい。
前日の金曜まではしっかり雨が降るようで翌日のライトの日は雨は弱まるが回復はなさそう、さらに翌日のルッキングの日に至ってはまた天候が悪化するという事らしい。

お互い不安を抱えながら、最後に当日の集合場所を煮詰める。

2日間の予定はこうだ。
27日は13時過ぎに青森市内のファーブルハウスを待ち合わせ場所とし、そこから十和田市のライトトラップのポイントへ向かいHIDハンディライトで採集を開始。終了後一旦解散。
28日は11時に八甲田山中で待ち合わせそのままルッキングのポイントへ向かう。



天候さえ悪くなければ問題のない採集となるはずだったが・・・


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  8月27日

陽も傾き約束の時刻も過ぎた頃。


脱出不可状態.jpg
自分はと云うと某山中で途方に暮れていた。

この午前中、自分は翌日のヒメオオのルッキングの為に下見にとある山中に訪れていた。
この年のヒメオオは発生状況が悪く、各産地でことごとくボウズを食らっていた事もあり、案内すると大風呂敷を広げていながらホントに成果ゼロで終わってしまう危険を感じていた。そこで、昨年に安定した数が採れたポイントを今年また確認して、良ければここにしようと思ってワケだ。
ところが、去年とは道の状況が一変し、往路では川と化した林道で大きな岩で車の腹を強烈に痛打し、戻れないと悟って復路は山の反対側へ延びる林道を走り抜くつもりが、林道に出来た2本のクラックに左右両タイヤを落とし進むことも戻る事も出来なくなった結果が写真の通りである。

道中ヒメオオ自体は観察できたが路面がこれでは案内は無理だ。
電波が通じるがJAFに掛けたら・・・俺の財布には無理だ・・・

こうなったら・・・と泣く泣くレスキュー要請したのはYH氏を待たせている集合場所の主・鈴木さん

自分 「遂に鈴木さんにヘルプしてもらう事になりました」

FH鈴木 「?・・・どういう事?」

自分 「実は・・・」

その後の詳細は筆舌に尽くしがたいので(記事を書いている自分が恥ずかしい限りなので)省くが、簡単に説明すると
到着した鈴木さんの車にロープを繋ぎ、牽引してもらい脱出して麓まで下りてこれたと云う展開なのだが、この時の詳細については鈴木さんが当時ホームページで詳細に記しており今一度それを読んだりとかはしないでほしい!
路面(脱出後).JPG
脱出後の路面

無論このトラブルもYH氏に伝わっており、予定の集合時刻はとっくに過ぎて時刻は既に17時半。ショートメールでYH氏から「大丈夫ですか? もし厳しければ遠慮なく言ってください」とお気遣いのメールも。案内する側の人間が逆に心配されてしまっている・・・情けない・・・。仕方がないので予定を変え先にYH氏に十和田湖畔のホテルにチェックインしてきてもらって現地で落ち合おうと云う事になった。
我々もようやく青森市まで戻ってこれたが、実はこの日使う予定のHIDハンディライトを家に置いたままであった。下見が普通に終わっていれば余裕で家まで取りに帰っていられたのだが、もう18時を過ぎそんな余裕は無い。
見かねた鈴木さんが、じゃぁ今夜は俺のライトを見学にしに来いと助け舟を渡してくれた。


十和田までの道中、車がまともに走ってくれない。
日中の下見で相当車に負担が掛かったのが他ならぬ原因だ。林道に入ってから、大きな石で腹を打つわ山を下りる時には地面にそのまま車体が乗っかるわでハンドル操作がおかしくなり、タイヤの向きを真っ直ぐにして走ると今にもタイヤが外れてしまうかのようにグラグラ前輪が震える。
常に右か左にタイヤを向けていないと走れない状態になってしまったがそんなことよりも現地に行かなくては。
普通にハンドルをきれなくなった分、走行速度が遅い。
給油してから後から追いつく、と市内で一旦別れた鈴木さんにも即行で追い抜かれる。
その上、山道に入り間も無く地面の色が白から黒に様変わりしてしまった。
参ったな・・・やっぱり雨か・・・。予報は残念ながら外れてくれなかった。


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いつタイヤが抜けるかビクビクしながら漸く奥入瀬へ到着。時刻は20時目前。YH氏とは連絡を取り合いながら、十和田湖畔のホテルから出発してこっちに向かってきてもらっていた。
一方この頃鈴木さんは常連のタヌキが待っている得意のポイントに到着していた。

お互いがどの車か分からないので探り探りで奥入瀬の集合場所に近づいていく。
夜中の奥入瀬でホテル以外の駐車場に停める車は少ない。YH氏かと勘違いしてよく見ると盛岡ナンバーの車と気づき少し焦ったりもしたが、川崎ナンバーに間も無く出会うことが出来た。

車から降りてお互い挨拶。これまでブログやメールで何度もやり取りした間柄でもやはり実際に顔を合わせると緊張するものだ。
ここまでの段階で集合予定の急変、時間のロス、ライトトラップ実施から見学への変更と、遠路遥々やってきた客人に対して相当失礼な歓迎をしているのだがその上雨も降っているのだから大変申し訳ない。そんな状況ながら寛容に受け入れて頂き、しばしの会話の後鈴木さんに場所を確認し向かう事にする。


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鈴木さんのいるライトのポイントへ到着する。
現場はやはり雨に濡れている。鈴木さんに現状を訊くと「いやぁ良かった」と返事が返ってきた。
DCIM0378.JPG

差し出されたのは個別収容のルアーケース。
中には2頭のクワガタの♀が・・・1頭はノコギリ。もう1頭は・・・・・・!?・・・流石だわ鈴木さん。

YH氏 「採れたんですか!?」

紛れもなくオオクワの♀であった。
2人でしっとり濡れながらもちょっとした興奮状態になった、いやYH氏の興奮はちょっとどころではなかったかも知れない。
しばらく3人でだらだら話をしていると、鈴木さんの様子を見に他の採集者達もやってきた。こういう交流の雰囲気は青森県では基本的に十和田でしか味わえない。
そして極めつけに、ライトに寄ってきた虫を食べにタヌキとキツネがその場に居合わせると云う縁起が良いのか悪いのか分からない珍妙な光景も見られた。
いきなり今夜のハイライト(オオクワ♀)を見せられたのは驚きだったが、トラブルを起こして焦眉の急を告げる中ハラハラして十和田入りした自分にとって精神的に楽になれた。

その後は現場を離れ、外灯回りの定番スポットで虫話をしたり大したことのない見回りのテクニックをお知らせしたりと雨の時間を過ごした。
この日は初日でバタバタしていた事もあり、この定番スポットをサラッと見回り終えた後は翌日のルッキングに備えて解散となった。雨で寒いというのもあるし。


帰る道中、一人になった自分は車の状態の危うさを再認識し別の寒気を感じた。


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  8月28日

2日目は予定通りヒメオオクワガタのルッキング採集である。
昨日のオオクワ採集と打って変わって今日は自分の得意分野。YH氏と電話で位置確認しながら集合場所に向かう。

11時過ぎに集合場所に到着。
先に着いていたYH氏と挨拶もそこそこに空を見上げて苦笑いする。悪い。悪すぎる。低地では大丈夫かと一瞬期待しかけた天気も八甲田に突入するや否や強烈なガスに覆われてしまい結局雨。俺はなんでこうも引きの悪い奴なんだろう・・・
場所を移動して車を1台にまとめ目的地へ向かう。

ヒメオオは自分の得意分野と言っても、実際のところ八甲田界隈・・・特に十和田市近辺は個人的に初挑戦採集の2011年より後には熱が冷めてそうそう訪れる場所でもなかったためフィールド自体はそこまで勝手を知らない。それでも、地形的、体力的には非常に案内しやすいエリアなのでここにするのが良いと判断した経緯がある。


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まず近場のポイントで車を流しながらどうやって虫を探すか、どんな木を見るか、何を手掛かりとするかなど、主にYH氏の理解力に助けられながら説明していく。
雨に濡れた木々は、ルッキングの難易度が地味に上がってしまった状態なので説明だけで理解してもらうのには多少難があった気がする・・・
途中、登山道入り口に差しかかったので車を降りて徒歩でのルッキングも行なう事に。
傘を差して濃霧の中をおしゃべりして進むが、急登の道に入った時点で、バケツの水をひっくり返したような雨に見舞われ足元も木の根や粘土質の地形で歩き難く、結局傘の意味は無くなっていた。

辛うじて「これがヒメオオの齧り痕です!」と目の高さの分かりやすいヒメオオ痕をお見せできたものの、自分のメガネが水滴と曇りで視界は危うかった。本体なんていませんよ。


そう言えば数年前、知り合ったばかりのNo.7F氏と初めてのルッキングに行った時も土砂降りだったなぁ。


DCIM0389.JPG
クワガタが居ない&霧雨のダブルパンチでしっかりクールダウンした我々は車に戻りまた走りながら木を見ていく事に。

林道を脱する前の最後の有望なヤナギの木に望みを託し、チェックするため車を停めて見に行くことに。
誰か根性のある奴が居てくれたら・・・


(・・・居た!!!!!!!!)


漸く今日初めてのクワガタを発見。本当ならここで大声で叫んでYH氏を即行呼び寄せてアレですアレ!とはしゃぎたいところだがグッと堪えて車に戻る。
既にここまでで幾度も車から降りては肩透かし、また車に乗っては降りてを繰り返していたので、疲れて今回降りてこなかったYH氏に「ここらも濃いポイントなので一緒に見ていきましょう」と降りてきてもらい、期待を持たせず木の前まで連れて来たところで

「さぁ!お待たせしました!どこに居るでしょうか!?」

絶望的だったクワガタをようやくここで見せるに至った。

IMGP0410.JPG
・・・ただ、目的のヒメオオではなくアカアシだが。
どこどこ!? と探しながら目の輝きを取り戻したYH氏を横目に見て、肩の荷も少し下りた。YH氏は採集本位と云うより観察派の方なので、関東平地の樹液酒場とはまた違うクワガタの生活風景を見せることが出来て、少しは青森へ来た意味を持たせられた瞬間になったのではないかと思う。

アカアシを♂♀2ペアを無事お土産にし、続いて別のポイントへ移動する。


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道中は特撮の話が弾む。やはり関東の方はこんな田舎と違ってコンテンツやイベントが近くにあって羨ましい限りだ。自分の周りでも、飛び抜けて詳しいNo.6くらいしか特撮の話は出来ないので、初対面の方とこうして話せるのはとても新鮮である。


時刻は正午も過ぎているが天候は酷くなる一方だ。
電波が通じるので雨雲レーダーを確認しているが八甲田には一片の雲も感知されていない。大雨ではあるがこれは濃霧だ。有名ポイントですらアカアシどまりで、今日ヒメオオを見つけるのはかなり厳しいのではないかと焦りに支配されたまま次は少し偏屈なポイントに到着した。
ここは八甲田の中ではあまり注視されないポイントだが居るには居る。アクセスも容易ながらあまり注視されないのは、見る木があまり多くなく徹底的に見尽くしても数が採れないし気を抜いて歩いてもいても見つけられずに終わる場所でもあるからだ。

2人共既に頭から靴の中まで全身ビショビショ。林道は短いので気を抜かずに歩いて見ていく。

53mmのヒメオオを以前採った事もある環境だったのはもう昔の事のようで、林道脇の風景も以前とは違っている。
ここに居るんですよ、と期待していた一本ヤナギもクワガタの影すら見つけられなかった。


・・・これはヤバい、もう今日はダメだ。
八甲田界隈を出て津軽半島か下北半島まで行けば少なくとも大雨は避けられるが、もう午後でそんな時間は無い。
何も採れなかった時、振り返るのが怖くなる。
何も居ないから戻ろう、と合図を掛けるには勇気が少々要る。だからいつも以上に粘って奥へ進んでしまう。往生際が悪い。奥へ進めば進むほど戻る気まずさは大きくなる。
戻れば戻ったで見つかる事もあるが、ここではそんな見落としは無いだろう。


無言になって暫く経った気がする。それでも実際は数分しか経っていないだろう。

もう有望な灌木も無いしメガネも水で曇って満足に見えない。
この先進むと植樹帯が待ち受けているだけに、終わりが近づいてくる焦りで気持ち悪くなってくる。




見境なく、それこそ草の根を分けるようにしてそこかしこの草木を見ていたが、
灌木の膝の高さくらいの所に黒い塊を見つけた。

この黒い塊こそが今日のハイライト、ヒメオオクワガタの唯一の個体に他ならなかった。
付いていた木は林道沿いでよく見る木だが普段クワガタは付いていない。齧っていたわけでもなさそうだ。
加えてこのヒメオオは♂なのだが、小さい上に大変なボロ個体で脚も切れてしまっている。
明らかにこれは偶然この場所に「不本意ながら」付いていただけだろう。言い方を変えればこの小さなボロ♂は『山の情け』と言ったところか。

DCIM0393.JPG
フキの上に乗せて撮影

2人でこの一大事を大いに喜んだ。苦しかったが、採れた・・・・・・!!!!


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ほぼほぼ土砂降りの中、想定とはほど遠かった内容だが念願のヒメオオを採集できこれで林道を引き返すことにした。いい加減止めないと風邪も引くし。
YH氏の車を置いた場所まで戻り、この2日間を振り返りながらずぶ濡れのまま話し込む。
いくら遠い所まで採集に来たからと云ってもここまで悪い天気の中ヒメオオを探した人間もそうそう居ない事だろう。


CA3I0060.JPG
冷静に考えてこんな景色の中クワガタを採ってたなんてネタにも程がある。
・・・いや確かに我々2人の間では充分満足なネタになった・・・なってしまったのだが、前日に引き続き散々な結果だったことを振り返ると汗顔の至りである。


そこでひとつ今日の収穫の埋め合わせとして
青森県産ヒメオオクワガタを採集し後日差し上げる事とし、大雨と共に2日間の採集日程は終了した。

八甲田を後にし、青森市内に戻ると衝撃的な光景に目を疑った。地面は濡れてない、暖かい、空が青い。地獄から天国へと言うような劇的な変わりようだった。

・・・ついでに車の乗り心地もこの2日間で劇的に変わったが。


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  9月

YH氏が神奈川へ帰った翌月、北へ南へ東へ西へとヒメオオ採集に明け暮れた。とは言っても勿論青森県内にとどまるが。
八甲田山、十和田山地、津軽半島、下北半島、白神山地と各地を奔走し、毎年の事ながら新産地を開拓しながらもYH氏への土産用ヒメオオを確保する目的も兼ねて既知産地も回っていったのだが・・

CA3I0126.JPG
夜6時頃、秘蔵ポイントにて

八甲田に限らずこの年はどこもヒメオオを見る事が難しく、これは当時の採集記事でも触れた。
結果的にこの年は秘蔵のポイントのみ安定した数を見る事が出来たに過ぎず、新開拓の更新数は少なかった。

そんな中、注目して探しまわったのが下北半島。
去年のヒメオオ採集記事でもわりと下北半島が目立ったが、これは冒頭にあるようにYH氏がこの地方に縁がある為にこの地方のラベルに拘っていたと云うワケだ。

数自体は少なかったが新産地も見つけ出すことができ、
ヒメオオを2産地♂♀ペア、そしてアカアシをおまけで追加して9月下旬には発送へと無事こぎつけることが出来た。
ヒメオオの熱烈なファンでも持っている人が少ない下北半島産である。


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こうして2016年の採集案内はグダグダに終わった。

ヒメオオ発送の約2ヶ月後には、エンジン音も爆音化し車軸が一部断裂した愛車も役目を終えて新しい相棒が納車される運びとなった。中古だけど。
車が新しい物に替わり、これで自分の天気運もカラッと変わってくれるとより嬉しいところだったが、残念ながらそちらの方は車のように変わってはくれないものである。




この天気運の悪さが翌年も猛威を振るうことになるとは
その時はまだ思わなかった。







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青森県産コクワガタ市町村巡り 「五所川原市」でヤッテマレ!!! [日昆 採集記 【2017年】]

県内産のコクワガタを市町村別に集めると云う課題を2013年に立ててから早4年。
たかがコクワと言えどもコレクションを見返してみると全然集まっていない・・・
40を数える青森県の市町村の内、手元にあるのはそのうち半分もありません。
去年~一昨年に採っているものでもまだマウントしていないものもいくつかあり、2014年以降はコレクションの増えるスピードが急ブレーキで失速した点も含めブログで公開している者としては非常に恥ずかしいところです。
今期からはハイワットの灯火機材も導入しましたが、
未採集地域は山奥ばかりでもありません。

平野部での採集も進めなければ・・・
と云う事で、先日津軽平野の空白地を埋めに行


・・・いや、仕事の要件終わりに寄り道してきました。




  8月2日(水)

時刻は昼を回って陽も西に落ちてきている頃。

立ち寄った所は津軽平野の中心地・五所川原市


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五所川原市.png
五所川原市は西北津軽の中核都市。津軽半島の付け根及び中西部に位置し、奥津軽への玄関口と言える。2005年3月に旧金木町旧市浦村と合併した。
農業が中心の都市で、岩木川が通る津軽平野の中心作物はりんごと米。市浦地区は十三湖のしじみ漁が盛ん。金木地区は「田舎のプ〇スリー」こと歌手の吉幾三や「走れメロス」「人間失格」で知られる小説家の太宰治の出生地として知られ、五所川原の立佞武多も青森県の有名な夏祭りとして知られ観光地ともなっている。
ちなみにサブタイトルの「ヤッテマレ」と言うのは津軽弁でつまり「やってしまえ」と言う意味。立佞武多の掛け声であり祭りの中での意味合いとしては、関西弁の「いてまえ」と同じく攻撃的な面を含んでいる。
(東奥日報社「新平成の大合併あおもりマップ」より一部引用)


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これまでの時点で五所川原産のコクワは市浦1♀拾っているのみ。他には五所川原の住宅市街地のコンビニに飛来したノコギリの♂を友人からもらっているのみ。

具体的に生息しているポイントと云うのは実際にはまだ知らないので、
地図を見ながら採れそうな場所・・・でなおかつ仕事中の格好でも木まで辿り着けそうな(つまり服装を汚さずに済みそうな)場所を探します。


何にせよ時間も無いので行き当たりばったりで市内某所に目星を付け、
車を停めてルッキングを開始しました。


CA3I0646.JPG
ヤナギの多い場所で、ヤナギの大木が並木になっている場所もあれば藪に入る寸前に疎らに小さなヤナギも生えています。

藪漕ぎは今出来ないので、藪の際を沿うようにヤナギをチェックしていきます。
何本か見ていると枝にハナムグリが集っている光景が見られたので、この環境をさらに広く見ていけばいずれノコギリやコクワは見られるだろう、と期待を持ち始めた
その直後でした。





CA3I0647.JPG
・・・んんッ!!?

黒い塊が・・・おぉ!? マジでか!!!









五所川原市産コクワガタ.JPG
いたよ!!!! やってまったよ!!!
しかもそこそこサイズもデカい!!!

発酵した樹液が出ていてコクワを含め虫が多数集まっています。
警戒して藪の中に落ちないかハラハラしながら写真を撮り、気付いて仰け反ったところを慎重かつ瞬発的に抑え込み採集。
遠目では♂1頭かと思いましたが♂♀ペアでした。



CA3I0650.JPG
多分居てもノコギリの方が確率は高いかと思っていたのでいきなり本命と遭遇できて非常に嬉しいです。ライトトラップでは味わえない・・・と言うかライトトラップとはまた違った興奮が樹液にはあるんだな。

♂は越冬なのか、大腮の摩耗が激しく爪など一部欠けていたボロ個体だったものの45mmと標本箱に入ってても見応えがするサイズ。
空いていたジュースのペットボトルに突っ込んで持ち帰ることに。
大木のヤナギ並木も見ていくと、カミキリやガによってところどころに穴を開けられ樹液が出ているものが見られました(ウスバカミキリ本体も樹洞にいましたし)。環境的に見てもおそらく夜に来ればコクワとノコギリを観察できると思われます。もしかしたらスジとアカアシも居るかもしれんな・・・

時間も無くなってきたのでこれ以上深追いせず帰ることにしました。
特に今の時期祭りシーズンだから夕方は車が進まなくなってしまう・・・




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こんな感じで五所川原のコクワも新たにコレクションに加わりコクワ巡りも一つクリアしました。
祭りの季節という事で今日から五所川原も立佞武多が始まっているので暇があれば、コクワはともかくとして一度夜の五所川原へ遊びに行ってみてはいかがでしょうか?
(ここで立佞武多の祭りの写真でも貼っておければ良かったんですが、生憎自分はまだ一度も見に行った事ないんですなァ・・・)



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半島リベンジ [日昆 採集記 【2017年】]

  7月22日

前までの平日間ずっとカンカン照りだった青森県内はこの日、午前中は土砂降りでした。

梅雨前線が南下し北東北上空へ、今話題の線状降水帯が日本海側から太平洋側まで午前中をかけてゆっくりローラーしていき採集地の道路状況に大きな不安を残していきました。

予報の時点ではまだ県南の方が降雨量が少なかったので、
朝早くから出発し遠い県内のポイント探しに行こうと思っていたのですが・・・



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・・・11:47・・・

時計に写るこんな数字を布団の中で見たら絶望しますよね。
寝過ごしたぁ~~!!!!!

朝8時くらいには出発するつもりでいたのでもう「焦る」とか云う次元ではありません。
遅過ぎてもはや飛び起きる気力もありません・・・

これで県南への長旅は断念しました。
午後になりとりあえず今から行けそうな場所を気象庁のホームページを見ながら決めていきます。
青森市内は朝方にドッと降ったようですが今は静穏。
行こうと思っていた県南方面は昼の時点でかなり荒れている模様・・・
約束の地へもこの大雨で道路が崩落してしまう恐れあり、十和田はもうコクワは採っている、下北は時間的に間に合わない・・・


よし決めた!!! 津軽半島に行こう!!!
今日の中でも比較的降水量も少なく朝方に大雨も病んでいる津軽半島方面への採集を決定しました。


CA3I0615.JPG
午後2時頃の青森市内。
寝坊したので開き直ってレンタルDVDを返しに行きつつ現地へ向かいます。
トニー・ジャーにウー・ジンとは贅沢だったな・・・

天気はこの通り回復しています。




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北上を続け、今夜のライトトラップの舞台になる市町村へ到着。
中泊町・小泊地区

小泊岬.JPG
場所を探して走り回りますが、良い条件の場所がありません。

CA3I0621.JPG
見てくださいこのスギ林!
津軽半島もほかの地域と同じく、人が入りやすい低山地~河川沿いはほとんどスギが植えられています。伐採されていないのは高地や斜面ばかりです。
そして津軽半島の場合、植林を避けただけではクワガタ採りに適した場所にはたどり着けません。それこそが何を隠そうヒバ林。標高を上げると今度は天然のヒバ林が増えてきて密度も割りと高いのです。ブナ等の広葉樹林と混ざっているので航空地図でも見分けがほとんど付きません。
ただでさえライトを置く場所が見つからないのに加えて照らす所も激減するワケで、十和田のように競合者がいないとは言え場所が見つからないので焦ります。

ポイント探しも兼ねて、2年前に採れた隣町のヒメオオポイントの林道もチェックしに行きます。
去年も秋に来たんだけど何も居なかったんだよなぁ・・・

CA3I0627.JPG
1本だけヒメオオが付いてた!
7月の後半で付いているというのも個人的には未体験。自分は今まで一番早くてもヒメオオの樹液採集は8月からでしたからねぇ・・・

画像の中くらいの♂と、奥の枝にもう1♂小さいのが居るのですが
残念ながら大きい方のはしくじって弾いてしまいました。
ホントに手前で近いのに、落としたら見つからないもんだねェ~・・・(泣)
一応これでも19時を回っています。足元もなかなか暗いんですよ・・・
・・・それよりライトのロケハンはどうした!?


結局落とした個体は諦めて、残った最後の1頭へ挑戦、
また落としたものの下へ潜る前に回収出来ました。
CA3I0628.JPG
小さい。 ・・・が今日初のクワガタです。
今年出てきたばかりの新鮮な個体で動きも若々しくヒョコヒョコ歩きます。足取りが軽い感じ。


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余計な林道を余計に深入りした所為で小泊に戻ってくる頃には周囲は真っ暗。

どこも中途半端な場所ばかりでかえって迷います。
なんとか光が射せる場所で20時過ぎに点灯開始。


CA3I0629.JPG
ひとまず20時17分、初クワガタの、ミヤマ♂が飛来。


さぁまだ採れていない小泊のコクワを今日こそは・・・


CA3I0631.JPG
ミヤマしか来ねぇ!!!!!

しかも全部♂。ミヤマ100%。純ミヤマ。深山にはミヤマしか居なかった。

CA3I0630.JPG
ライトを向ける方向も2方向あり、
・林道の奥側
・斜面の谷側
の内画像は斜面の谷側。特に飛んでくるのはこっちなんですが、辛うじて谷を挟んだ向こうの斜面に光が当てられるのですが手前に草木が被りかなり弾きます。
と言っても弾いた分も含め確認できたクワガタは全部ミヤマ・・・
近くに飛んできた個体をスィーピングしなければいけません。

点灯してから1時間、21時には撤収を決めました。


22時には撤収を完了して車で下山を開始。

(ちなみに、この頃No.2No.6はTVの前に座り戦国無双とガンダムで熱闘していた)


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山から下りたらあとは戻る途中の市町村で外灯を見ていくのみ。

小泊を脱する前に道路横断中のキタカブリを保護して隣の市浦へ戻ります。
(逃げるかと思って咄嗟に手で掴んぢまった・・・臭いをかけられた・・・!ウォェェ・・・)


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五所川原市・市浦地区では外灯を見て回りますが、シロヒトリがタクサン・・・。

一番来る外灯も見てみますが、この場所ではノコギリ♀が1頭だけ。
CA3I0634.JPG
周囲は尋常ではないほど虫に塗れていていますがクワガタは多くないようです。
この公衆電話、絶対誰も夜に使わないだろうな・・・

あ~手が臭い!拭いても臭う(吐)


更に道は戻り中里へ・・・


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中泊町・中里地区

ここは4年前にも来ましたが兎にも角にもガムシが尋常ではないくらいに落ちています。
ガムシガムシガムシガムシガムシガムシガムシガムシ・・・そして手が臭い・・・地味に辛い!
ガムシを採るなら中里に行け!と云うべき安定のガムシ率。
度々潰された個体も居るので、遠目に見たらシジミの殻と見分けがつきませんからね。
(当地の名物は十三湖のシジミ貝)

残念ながら何のクワガタも飛んできていませんでした。


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そして中里も道を戻って少し経つ頃には外灯も増えてきて光が散ってしまい際立った良ポイントも無くなって明るい街並みになってきてしまうのでそのまま帰宅モード。



・・・からの意識OFFモードへ。



青森市内に入り自宅まで待てなかった・・・
途中で仮眠をとり帰宅したのは翌日未明。



CA3I0636.JPG
持ち帰った虫はこの通り。

    結果

    三厩・・・ ヒメオオ♂:1頭
    小泊・・・ ミヤマ♂:3頭  キタカブリ♂:1頭
    市浦・・・ ノコギリ♀:1頭






コクワにひとかすりもしてないんだが。

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採集の夏! 国産の夏! [日昆 日常雑記]

今年のクワガタ屋界は昨年以上に盛り上がっています。
・・・と多分毎年皆思っている節はあるでしょうが、

主に初心~中堅層の国産採集メインの人達の間では、
この6月7月に出た2冊の国産クワガタ本がやる気を最高潮まで高めてくれていると思われます。

ウマい具合にこの手の本が2冊立て続けに発刊されたので、
今回の記事ではその2冊の紹介・所感をまとめてちょっとだけ書いてみます。

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BE-KUWA 64号 (むし社 刊)

新種・新亜種の記載が今の時代になっても続く日本産クワガタムシ科の全種がまとめられている巻頭図鑑が見どころなワケです。
国産の分類も色々ガチャガチャしているのが昔と事情が違う部分なんですが、この号ではその点についてもきちんと説明が入っているので、人の意見を鵜呑みにしてしまわず自分で見て考えて認識を深めていこうと云う暗喩も含んだ本ではないかなと思った特集でした。
標本も全国の各都道府県の個体をまんべんなく掲載しているようで、今の時代としては未採集種攻略のヒントとして結構活用できるところもあるのではないかとも思います。

個人的にはルリクワガタの分類についてBE-KUWAでやってくれたと云うのが新鮮でした。初心者受けしない小型種にはあまり触れてくれないのがこの雑誌のウィークポイントなのですが今回はその辺も割と比重が高いので参考になりました。
やはり情報誌は、自分では得られない新情報や高等の情報が手に入るからこそ買い続けたいと思うものです。飼育メインの雑誌ではありますけど、親子でキャンプついでに採集して「楽しかったです」みたいな記事とか「山に入る時の格好は・・・」みたいな記事ばっかりじゃ流石に採集記事の分野としては食傷しますからね。少し知識を持つようになったくらいの段階にきてから読んでもこれではスキルアップにはなりません。

とにかく今号は、「昔買った図鑑があるから・・・」とか「最近の内容はつまんないから・・・」と云った人も持っておくべき1冊ではないかと思います。




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HIGH VOLTAGE 2 (六本脚 刊)
知る人は知っている国産クワガタ採集に関する内容だけをまとめ上げた紀行集の第2弾。
飼育分野に重点を置いたBE-KUWAと違い採集一色で内容がまとまっているので中身がブレず安心して読めました。
特にこのシリーズは執筆者が見なベテランばかりで、どれもが参考になる記事や「自分も負けてられんな」と上手い具合採集意欲をあおってくれる記事ばかりなので、採集に行く前日の晩に寝床で読むと効果的(笑)
個人的には、他の雑誌では非常に少ないツヤハダメインの記事が読める点がポイント高いですね。さらに、玄人向けの内容が多そうに思われるところですが、各執筆者の採集における流儀や虫屋としてのマナー・エチケットも読み解くことが出来るので、採集はじめたてで右往左往してしまう人でも参考になる本でもあります。


・・・この2冊はこの夏クワガタ屋には欠かせない必読書になる事でしょう・・・
・・・否、もうなっているでしょう!






そして、本が手に入ったら次は採集道具の増強。

今年になり清水の舞台から飛び降りる気持ちで買ったライトトラップ機材。
その重要アイテムの一つ・投光器ですが




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怒涛の2台目導入。

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やるにしても早すぎるだろう、と自分でも思います。

初めに導入した投光器が大きいタイプの投光器だったのですが、
先日の六ヶ所のようなマニアックなフィールドや、十和田のようなお馴染みのフィールドの適正仕様も考えて、小さく取り回しやすいタイプの投光器も持たねばという事で導入しました。
本来、ハイワットクラスに踏み込む場合はこの小さい方から始めるのが一般的ですからね。

ここから更に投光器にめんどくさい一工夫をしなければいけないのですが追々で・・・


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安定器の配線も、前回3人でやった作業を1人でやったのでまぁ時間がかかりました。
しかも、安定器本体は東芝製で3本線なので配線の仕方がまたちょっとメンドくさかった・・・
(ちなみに最初に仕入れた方のは岩崎製で4本線)


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先日12日に、試しに近場でライトトラップに行ってきましたが問題なく点灯できたのでひと安心。採れたのはノコ♂2頭とカブト♀1頭だけだったけど。






そして2台目テストの日と時を同じくしてまた新しい秘密道具が到着しました。

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・・・いや・・・ワレモノなんだから箱に入れて送れよ・・・(怒)
発送連絡も無いし・・・

投光器の配光を調整できる・・・と言っても間違いではないこの部品ですが、これを使うとどのくらい配光に違いが出るか今から楽しみです。

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