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~初めてこのブログに来られた方へ~
当ブログにご訪問頂きましてまことにありがとうございます。
『ネット検索して特定の種類の情報を収集するためだけにここへ来られた方』や
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上記以外での初めてこのブログに来られた方には、
もちろん無理には勧めませんが出来れば第1回目の記事をまず読み流して頂ければと思います。
どんな方向に向かっていてどんなスタンスでやっているのか分かると思います。
すみませんねぇ、なんか押しつけがましい性格みたいです・・・

青森県産コクワガタ市町村巡り 「五所川原市」でヤッテマレ!!! [日昆 採集記 【2017年】]

県内産のコクワガタを市町村別に集めると云う課題を2013年に立ててから早4年。
たかがコクワと言えどもコレクションを見返してみると全然集まっていない・・・
40を数える青森県の市町村の内、手元にあるのはそのうち半分もありません。
去年~一昨年に採っているものでもまだマウントしていないものもいくつかあり、2014年以降はコレクションの増えるスピードが急ブレーキで失速した点も含めブログで公開している者としては非常に恥ずかしいところです。
今期からはハイワットの灯火機材も導入しましたが、
未採集地域は山奥ばかりでもありません。

平野部での採集も進めなければ・・・
と云う事で、先日津軽平野の空白地を埋めに行


・・・いや、仕事の要件終わりに寄り道してきました。




  8月2日(水)

時刻は昼を回って陽も西に落ちてきている頃。

立ち寄った所は津軽平野の中心地・五所川原市


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五所川原市.png
五所川原市は西北津軽の中核都市。津軽半島の付け根及び中西部に位置し、奥津軽への玄関口と言える。2005年3月に旧金木町旧市浦村と合併した。
農業が中心の都市で、岩木川が通る津軽平野の中心作物はりんごと米。市浦地区は十三湖のしじみ漁が盛ん。金木地区は「田舎のプ〇スリー」こと歌手の吉幾三や「走れメロス」「人間失格」で知られる小説家の太宰治の出生地として知られ、五所川原の立佞武多も青森県の有名な夏祭りとして知られ観光地ともなっている。
ちなみにサブタイトルの「ヤッテマレ」と言うのは津軽弁でつまり「やってしまえ」と言う意味。立佞武多の掛け声であり祭りの中での意味合いとしては、関西弁の「いてまえ」と同じく攻撃的な面を含んでいる。
(東奥日報社「新平成の大合併あおもりマップ」より一部引用)


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これまでの時点で五所川原産のコクワは市浦1♀拾っているのみ。他には五所川原の住宅市街地のコンビニに飛来したノコギリの♂を友人からもらっているのみ。

具体的に生息しているポイントと云うのは実際にはまだ知らないので、
地図を見ながら採れそうな場所・・・でなおかつ仕事中の格好でも木まで辿り着けそうな(つまり服装を汚さずに済みそうな)場所を探します。


何にせよ時間も無いので行き当たりばったりで市内某所に目星を付け、
車を停めてルッキングを開始しました。


CA3I0646.JPG
ヤナギの多い場所で、ヤナギの大木が並木になっている場所もあれば藪に入る寸前に疎らに小さなヤナギも生えています。

藪漕ぎは今出来ないので、藪の際を沿うようにヤナギをチェックしていきます。
何本か見ていると枝にハナムグリが集っている光景が見られたので、この環境をさらに広く見ていけばいずれノコギリやコクワは見られるだろう、と期待を持ち始めた
その直後でした。





CA3I0647.JPG
・・・んんッ!!?

黒い塊が・・・おぉ!? マジでか!!!









五所川原市産コクワガタ.JPG
いたよ!!!! やってまったよ!!!
しかもそこそこサイズもデカい!!!

発酵した樹液が出ていてコクワを含め虫が多数集まっています。
警戒して藪の中に落ちないかハラハラしながら写真を撮り、気付いて仰け反ったところを慎重かつ瞬発的に抑え込み採集。
遠目では♂1頭かと思いましたが♂♀ペアでした。



CA3I0650.JPG
多分居てもノコギリの方が確率は高いかと思っていたのでいきなり本命と遭遇できて非常に嬉しいです。ライトトラップでは味わえない・・・と言うかライトトラップとはまた違った興奮が樹液にはあるんだな。

♂は越冬なのか、大腮の摩耗が激しく爪など一部欠けていたボロ個体だったものの45mmと標本箱に入ってても見応えがするサイズ。
空いていたジュースのペットボトルに突っ込んで持ち帰ることに。
大木のヤナギ並木も見ていくと、カミキリやガによってところどころに穴を開けられ樹液が出ているものが見られました(ウスバカミキリ本体も樹洞にいましたし)。環境的に見てもおそらく夜に来ればコクワとノコギリを観察できると思われます。もしかしたらスジとアカアシも居るかもしれんな・・・

時間も無くなってきたのでこれ以上深追いせず帰ることにしました。
特に今の時期祭りシーズンだから夕方は車が進まなくなってしまう・・・




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こんな感じで五所川原のコクワも新たにコレクションに加わりコクワ巡りも一つクリアしました。
祭りの季節という事で今日から五所川原も立佞武多が始まっているので暇があれば、コクワはともかくとして一度夜の五所川原へ遊びに行ってみてはいかがでしょうか?
(ここで立佞武多の祭りの写真でも貼っておければ良かったんですが、生憎自分はまだ一度も見に行った事ないんですなァ・・・)



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青森県鍬形採集案内 2016年8月27日~28日 [日昆 採集記 【2016年】]

旅行にしろ何にしろ、
「コイツが居ると何故かいつも雨が降る」
と云うような引きの悪い人間はあなたの周りに居ないだろうか?

これは、とある県外の方に青森県採集を案内した2日間の記録である。


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自分で言うのもおかしいが、いつも無謀な林道へ突入していってはどこかしらにダメージを受けて帰ってきてはまた無謀な林道へ向かっていく愛車も、約4年半のダメージが限界に達し去年の10月頃に別の車に乗り替えることになった。

その「トドメ」となったかどうかは分からないが、
確実に寿命を急速に縮めた出来事がこの年の夏にあった。

その日はいつもの採集とは少し事情が違うものだった。懐かしい思い出である。




去年の話だ。


7月のある日、ブログのメールフォームからメッセージが届いていた。

メッセージの送り主は、ブログにたまにコメントを入れてくれるYH氏だった。
今回フォームからコメント送りましたと挨拶から始まり、内容の核としては
「8月の後半あたりに青森へ行く予定なのですが、もし良ければ採集に同行出来ませんか?」
という事だった。

このYH氏は、度々ブログで差し挟む特撮ネタをしっかり拾ってくれる方で、コメント欄で度々やり取りもしていた事もあり、その晩の内に明るい返事をすることに。
返信内容には、こちらで案内できるのはこの時期HIDハンディライトを使った灯火採集ヒメオオクワガタのルッキング採集の2つで、ご意見を求むと云う旨を盛り込んだ。

このYH氏は神奈川の方で、お義父様が青森のむつ市出身という事で青森に縁があり当地での採集に興味を持ってもらえたというワケだが、関東の人に「東北らしいクワガタ採集」を味わってもらうにはこのライトトラップかヒメオオのルッキングのプランが最適と判断したためだ。
それに当日の天候の問題もあるので、夜(ライト)が厳しいなら昼(ルッキング)、昼が厳しければ夜、とプランを2パターン作っておけば対処もし易い。
・・・とは言え初めて採集案内する方に変に期待させてしまうのは採れなかった時に申し訳ないので、具体的な採集のリスクを伝えないわけにはいかない。
自他含めて、ブログの採集記などは採れるまでの詳細を省き、すぐに採集を始めているかのような、すぐに本命の虫を採っているかのような誤解を与えかねない内容になっている物も少なくない。勿論、想像力を通常持ち合わせている人ならば記事通りにサラッと採っているとは思わないところだが、念のため

ライトトラップの場合・・・
 ・HIDハンディライトしかないので大量の飛来は望めない事
 ・8月末頃ではボロボロの虫が多くなる事
 ・場所取りが上手くいかず適した場所でその日採集できない可能性がある事
ヒメオオ採集の場合・・・
 ・車を降りてから最低1~2km歩かないと採れる木に辿り着けないかもしれない事
 ・その上で採れたとしても2桁採れない場合もある事

を伝えたが、心配を察してか気遣い頂き「運ですからボウズでも大丈夫ですよ」と返ってきた。
YHさんが大人な方で良かった・・・それとも常日頃から貧果ばかりの採集記を書いているせいだろうか。

日取りも大方決まり、採集時の持ち物も伝え、残る事項は一番大事な「採集プラン」。
ライトとルッキングの両方をそれぞれ単品日程で予定組みしてメールしたところ、どちらもやった事が無いという事でどちらにも興味があるとの事。
せっかく遥々こんな北国まで来てもらっておいてどちらか一つだけを選ばせるのも酷な話・・・最終的には、その2つのプランのどちらも体験してもらおうという事になり、8月27日の夜にライトトラップを、翌28日の昼にルッキングを行う事で決定した。


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8月も下旬になりいよいよあと数日で予定の日・・・と云う頃、
ようやく当日の天気予報が分かるようになったが悲しきかな予報は厳しい。
前日の金曜まではしっかり雨が降るようで翌日のライトの日は雨は弱まるが回復はなさそう、さらに翌日のルッキングの日に至ってはまた天候が悪化するという事らしい。

お互い不安を抱えながら、最後に当日の集合場所を煮詰める。

2日間の予定はこうだ。
27日は13時過ぎに青森市内のファーブルハウスを待ち合わせ場所とし、そこから十和田市のライトトラップのポイントへ向かいHIDハンディライトで採集を開始。終了後一旦解散。
28日は11時に八甲田山中で待ち合わせそのままルッキングのポイントへ向かう。



天候さえ悪くなければ問題のない採集となるはずだったが・・・


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  8月27日

陽も傾き約束の時刻も過ぎた頃。


脱出不可状態.jpg
自分はと云うと某山中で途方に暮れていた。

この午前中、自分は翌日のヒメオオのルッキングの為に下見にとある山中に訪れていた。
この年のヒメオオは発生状況が悪く、各産地でことごとくボウズを食らっていた事もあり、案内すると大風呂敷を広げていながらホントに成果ゼロで終わってしまう危険を感じていた。そこで、昨年に安定した数が採れたポイントを今年また確認して、良ければここにしようと思ってワケだ。
ところが、去年とは道の状況が一変し、往路では川と化した林道で大きな岩で車の腹を強烈に痛打し、戻れないと悟って復路は山の反対側へ延びる林道を走り抜くつもりが、林道に出来た2本のクラックに左右両タイヤを落とし進むことも戻る事も出来なくなった結果が写真の通りである。

道中ヒメオオ自体は観察できたが路面がこれでは案内は無理だ。
電波が通じるがJAFに掛けたら・・・俺の財布には無理だ・・・

こうなったら・・・と泣く泣くレスキュー要請したのはYH氏を待たせている集合場所の主・鈴木さん

自分 「遂に鈴木さんにヘルプしてもらう事になりました」

FH鈴木 「?・・・どういう事?」

自分 「実は・・・」

その後の詳細は筆舌に尽くしがたいので(記事を書いている自分が恥ずかしい限りなので)省くが、簡単に説明すると
到着した鈴木さんの車にロープを繋ぎ、牽引してもらい脱出して麓まで下りてこれたと云う展開なのだが、この時の詳細については鈴木さんが当時ホームページで詳細に記しており今一度それを読んだりとかはしないでほしい!
路面(脱出後).JPG
脱出後の路面

無論このトラブルもYH氏に伝わっており、予定の集合時刻はとっくに過ぎて時刻は既に17時半。ショートメールでYH氏から「大丈夫ですか? もし厳しければ遠慮なく言ってください」とお気遣いのメールも。案内する側の人間が逆に心配されてしまっている・・・情けない・・・。仕方がないので予定を変え先にYH氏に十和田湖畔のホテルにチェックインしてきてもらって現地で落ち合おうと云う事になった。
我々もようやく青森市まで戻ってこれたが、実はこの日使う予定のHIDハンディライトを家に置いたままであった。下見が普通に終わっていれば余裕で家まで取りに帰っていられたのだが、もう18時を過ぎそんな余裕は無い。
見かねた鈴木さんが、じゃぁ今夜は俺のライトを見学にしに来いと助け舟を渡してくれた。


十和田までの道中、車がまともに走ってくれない。
日中の下見で相当車に負担が掛かったのが他ならぬ原因だ。林道に入ってから、大きな石で腹を打つわ山を下りる時には地面にそのまま車体が乗っかるわでハンドル操作がおかしくなり、タイヤの向きを真っ直ぐにして走ると今にもタイヤが外れてしまうかのようにグラグラ前輪が震える。
常に右か左にタイヤを向けていないと走れない状態になってしまったがそんなことよりも現地に行かなくては。
普通にハンドルをきれなくなった分、走行速度が遅い。
給油してから後から追いつく、と市内で一旦別れた鈴木さんにも即行で追い抜かれる。
その上、山道に入り間も無く地面の色が白から黒に様変わりしてしまった。
参ったな・・・やっぱり雨か・・・。予報は残念ながら外れてくれなかった。


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いつタイヤが抜けるかビクビクしながら漸く奥入瀬へ到着。時刻は20時目前。YH氏とは連絡を取り合いながら、十和田湖畔のホテルから出発してこっちに向かってきてもらっていた。
一方この頃鈴木さんは常連のタヌキが待っている得意のポイントに到着していた。

お互いがどの車か分からないので探り探りで奥入瀬の集合場所に近づいていく。
夜中の奥入瀬でホテル以外の駐車場に停める車は少ない。YH氏かと勘違いしてよく見ると盛岡ナンバーの車と気づき少し焦ったりもしたが、川崎ナンバーに間も無く出会うことが出来た。

車から降りてお互い挨拶。これまでブログやメールで何度もやり取りした間柄でもやはり実際に顔を合わせると緊張するものだ。
ここまでの段階で集合予定の急変、時間のロス、ライトトラップ実施から見学への変更と、遠路遥々やってきた客人に対して相当失礼な歓迎をしているのだがその上雨も降っているのだから大変申し訳ない。そんな状況ながら寛容に受け入れて頂き、しばしの会話の後鈴木さんに場所を確認し向かう事にする。


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鈴木さんのいるライトのポイントへ到着する。
現場はやはり雨に濡れている。鈴木さんに現状を訊くと「いやぁ良かった」と返事が返ってきた。
DCIM0378.JPG

差し出されたのは個別収容のルアーケース。
中には2頭のクワガタの♀が・・・1頭はノコギリ。もう1頭は・・・・・・!?・・・流石だわ鈴木さん。

YH氏 「採れたんですか!?」

紛れもなくオオクワの♀であった。
2人でしっとり濡れながらもちょっとした興奮状態になった、いやYH氏の興奮はちょっとどころではなかったかも知れない。
しばらく3人でだらだら話をしていると、鈴木さんの様子を見に他の採集者達もやってきた。こういう交流の雰囲気は青森県では基本的に十和田でしか味わえない。
そして極めつけに、ライトに寄ってきた虫を食べにタヌキとキツネがその場に居合わせると云う縁起が良いのか悪いのか分からない珍妙な光景も見られた。
いきなり今夜のハイライト(オオクワ♀)を見せられたのは驚きだったが、トラブルを起こして焦眉の急を告げる中ハラハラして十和田入りした自分にとって精神的に楽になれた。

その後は現場を離れ、外灯回りの定番スポットで虫話をしたり大したことのない見回りのテクニックをお知らせしたりと雨の時間を過ごした。
この日は初日でバタバタしていた事もあり、この定番スポットをサラッと見回り終えた後は翌日のルッキングに備えて解散となった。雨で寒いというのもあるし。


帰る道中、一人になった自分は車の状態の危うさを再認識し別の寒気を感じた。


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  8月28日

2日目は予定通りヒメオオクワガタのルッキング採集である。
昨日のオオクワ採集と打って変わって今日は自分の得意分野。YH氏と電話で位置確認しながら集合場所に向かう。

11時過ぎに集合場所に到着。
先に着いていたYH氏と挨拶もそこそこに空を見上げて苦笑いする。悪い。悪すぎる。低地では大丈夫かと一瞬期待しかけた天気も八甲田に突入するや否や強烈なガスに覆われてしまい結局雨。俺はなんでこうも引きの悪い奴なんだろう・・・
場所を移動して車を1台にまとめ目的地へ向かう。

ヒメオオは自分の得意分野と言っても、実際のところ八甲田界隈・・・特に十和田市近辺は個人的に初挑戦採集の2011年より後には熱が冷めてそうそう訪れる場所でもなかったためフィールド自体はそこまで勝手を知らない。それでも、地形的、体力的には非常に案内しやすいエリアなのでここにするのが良いと判断した経緯がある。


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まず近場のポイントで車を流しながらどうやって虫を探すか、どんな木を見るか、何を手掛かりとするかなど、主にYH氏の理解力に助けられながら説明していく。
雨に濡れた木々は、ルッキングの難易度が地味に上がってしまった状態なので説明だけで理解してもらうのには多少難があった気がする・・・
途中、登山道入り口に差しかかったので車を降りて徒歩でのルッキングも行なう事に。
傘を差して濃霧の中をおしゃべりして進むが、急登の道に入った時点で、バケツの水をひっくり返したような雨に見舞われ足元も木の根や粘土質の地形で歩き難く、結局傘の意味は無くなっていた。

辛うじて「これがヒメオオの齧り痕です!」と目の高さの分かりやすいヒメオオ痕をお見せできたものの、自分のメガネが水滴と曇りで視界は危うかった。本体なんていませんよ。


そう言えば数年前、知り合ったばかりのNo.7F氏と初めてのルッキングに行った時も土砂降りだったなぁ。


DCIM0389.JPG
クワガタが居ない&霧雨のダブルパンチでしっかりクールダウンした我々は車に戻りまた走りながら木を見ていく事に。

林道を脱する前の最後の有望なヤナギの木に望みを託し、チェックするため車を停めて見に行くことに。
誰か根性のある奴が居てくれたら・・・


(・・・居た!!!!!!!!)


漸く今日初めてのクワガタを発見。本当ならここで大声で叫んでYH氏を即行呼び寄せてアレですアレ!とはしゃぎたいところだがグッと堪えて車に戻る。
既にここまでで幾度も車から降りては肩透かし、また車に乗っては降りてを繰り返していたので、疲れて今回降りてこなかったYH氏に「ここらも濃いポイントなので一緒に見ていきましょう」と降りてきてもらい、期待を持たせず木の前まで連れて来たところで

「さぁ!お待たせしました!どこに居るでしょうか!?」

絶望的だったクワガタをようやくここで見せるに至った。

IMGP0410.JPG
・・・ただ、目的のヒメオオではなくアカアシだが。
どこどこ!? と探しながら目の輝きを取り戻したYH氏を横目に見て、肩の荷も少し下りた。YH氏は採集本位と云うより観察派の方なので、関東平地の樹液酒場とはまた違うクワガタの生活風景を見せることが出来て、少しは青森へ来た意味を持たせられた瞬間になったのではないかと思う。

アカアシを♂♀2ペアを無事お土産にし、続いて別のポイントへ移動する。


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道中は特撮の話が弾む。やはり関東の方はこんな田舎と違ってコンテンツやイベントが近くにあって羨ましい限りだ。自分の周りでも、飛び抜けて詳しいNo.6くらいしか特撮の話は出来ないので、初対面の方とこうして話せるのはとても新鮮である。


時刻は正午も過ぎているが天候は酷くなる一方だ。
電波が通じるので雨雲レーダーを確認しているが八甲田には一片の雲も感知されていない。大雨ではあるがこれは濃霧だ。有名ポイントですらアカアシどまりで、今日ヒメオオを見つけるのはかなり厳しいのではないかと焦りに支配されたまま次は少し偏屈なポイントに到着した。
ここは八甲田の中ではあまり注視されないポイントだが居るには居る。アクセスも容易ながらあまり注視されないのは、見る木があまり多くなく徹底的に見尽くしても数が採れないし気を抜いて歩いてもいても見つけられずに終わる場所でもあるからだ。

2人共既に頭から靴の中まで全身ビショビショ。林道は短いので気を抜かずに歩いて見ていく。

53mmのヒメオオを以前採った事もある環境だったのはもう昔の事のようで、林道脇の風景も以前とは違っている。
ここに居るんですよ、と期待していた一本ヤナギもクワガタの影すら見つけられなかった。


・・・これはヤバい、もう今日はダメだ。
八甲田界隈を出て津軽半島か下北半島まで行けば少なくとも大雨は避けられるが、もう午後でそんな時間は無い。
何も採れなかった時、振り返るのが怖くなる。
何も居ないから戻ろう、と合図を掛けるには勇気が少々要る。だからいつも以上に粘って奥へ進んでしまう。往生際が悪い。奥へ進めば進むほど戻る気まずさは大きくなる。
戻れば戻ったで見つかる事もあるが、ここではそんな見落としは無いだろう。


無言になって暫く経った気がする。それでも実際は数分しか経っていないだろう。

もう有望な灌木も無いしメガネも水で曇って満足に見えない。
この先進むと植樹帯が待ち受けているだけに、終わりが近づいてくる焦りで気持ち悪くなってくる。




見境なく、それこそ草の根を分けるようにしてそこかしこの草木を見ていたが、
灌木の膝の高さくらいの所に黒い塊を見つけた。

この黒い塊こそが今日のハイライト、ヒメオオクワガタの唯一の個体に他ならなかった。
付いていた木は林道沿いでよく見る木だが普段クワガタは付いていない。齧っていたわけでもなさそうだ。
加えてこのヒメオオは♂なのだが、小さい上に大変なボロ個体で脚も切れてしまっている。
明らかにこれは偶然この場所に「不本意ながら」付いていただけだろう。言い方を変えればこの小さなボロ♂は『山の情け』と言ったところか。

DCIM0393.JPG
フキの上に乗せて撮影

2人でこの一大事を大いに喜んだ。苦しかったが、採れた・・・・・・!!!!


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ほぼほぼ土砂降りの中、想定とはほど遠かった内容だが念願のヒメオオを採集できこれで林道を引き返すことにした。いい加減止めないと風邪も引くし。
YH氏の車を置いた場所まで戻り、この2日間を振り返りながらずぶ濡れのまま話し込む。
いくら遠い所まで採集に来たからと云ってもここまで悪い天気の中ヒメオオを探した人間もそうそう居ない事だろう。


CA3I0060.JPG
冷静に考えてこんな景色の中クワガタを採ってたなんてネタにも程がある。
・・・いや確かに我々2人の間では充分満足なネタになった・・・なってしまったのだが、前日に引き続き散々な結果だったことを振り返ると汗顔の至りである。


そこでひとつ今日の収穫の埋め合わせとして
青森県産ヒメオオクワガタを採集し後日差し上げる事とし、大雨と共に2日間の採集日程は終了した。

八甲田を後にし、青森市内に戻ると衝撃的な光景に目を疑った。地面は濡れてない、暖かい、空が青い。地獄から天国へと言うような劇的な変わりようだった。

・・・ついでに車の乗り心地もこの2日間で劇的に変わったが。


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  9月

YH氏が神奈川へ帰った翌月、北へ南へ東へ西へとヒメオオ採集に明け暮れた。とは言っても勿論青森県内にとどまるが。
八甲田山、十和田山地、津軽半島、下北半島、白神山地と各地を奔走し、毎年の事ながら新産地を開拓しながらもYH氏への土産用ヒメオオを確保する目的も兼ねて既知産地も回っていったのだが・・

CA3I0126.JPG
夜6時頃、秘蔵ポイントにて

八甲田に限らずこの年はどこもヒメオオを見る事が難しく、これは当時の採集記事でも触れた。
結果的にこの年は秘蔵のポイントのみ安定した数を見る事が出来たに過ぎず、新開拓の更新数は少なかった。

そんな中、注目して探しまわったのが下北半島。
去年のヒメオオ採集記事でもわりと下北半島が目立ったが、これは冒頭にあるようにYH氏がこの地方に縁がある為にこの地方のラベルに拘っていたと云うワケだ。

数自体は少なかったが新産地も見つけ出すことができ、
ヒメオオを2産地♂♀ペア、そしてアカアシをおまけで追加して9月下旬には発送へと無事こぎつけることが出来た。
ヒメオオの熱烈なファンでも持っている人が少ない下北半島産である。


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こうして2016年の採集案内はグダグダに終わった。

ヒメオオ発送の約2ヶ月後には、エンジン音も爆音化し車軸が一部断裂した愛車も役目を終えて新しい相棒が納車される運びとなった。中古だけど。
車が新しい物に替わり、これで自分の天気運もカラッと変わってくれるとより嬉しいところだったが、残念ながらそちらの方は車のように変わってはくれないものである。




この天気運の悪さが翌年も猛威を振るうことになるとは
その時はまだ思わなかった。







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