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紙一重? 青森県のオオクワガタ採集とその傾向とトラブル [青森の昆虫事情]

以前からたまに青森市内でのカブトムシ・クワガタ採集についてまとめた記事を書くことがありましたが、今回は、主に十和田市における採集をメインに据えて記事を書いてみます。

記事の内容は2つに分け、それぞれ

第1章 オオクワガタ採集2018年盆戦
第2章 青森県での採集の傾向とトラブル

とします。
第1章はまだしも、第2章の内容についてはうまく自分でまとめられるか自信がない上、ゴキゲンな虫ブログの空気感を澱ませてしまうような話に触れてしまう為に本当は書きたくありませんでした。
しかし最近のオオクワ採集の現状に自分も思うところがあり、今回記事を設けた次第です。
記事公開後も、今回の内容の範囲内については細かな訂正・削除を行いたいと思っています。




第1章 オオクワガタ採集2018年盆戦
※第1章は採集記仕立てですが、この時の状況についてはファーブルハウスのホームページ:飼育と採集の知恵袋 2018年度の『【8月13日 お邪魔虫登場!】【8月14日レアポイントにて】』にも記されていますので、そちらとすり合わせて読んで頂ければと思います。

  8月13日(月)

この日No.7は十和田に居ました。
彼は後輩と共に、愛知県から遥々ライトトラップの勉強に来た虫屋仲間を案内すべく前日から十和田市入りしていました。

その2日目であるこの日、彼らは夜の採集へ向けて場所の確保を済ませ、夕方には周囲のポイントの様子を確認しに行ったのだそうです。

この日は世間一般にはお盆休みのど真ん中。県内からは勿論、県外からも多数の採集者がこの地へ訪れ狭い場所に何人もが犇めき合う時期と云う事で、お互いライトの干渉を避けるために安全策として事前にやり方を打ち合わせる場合も出てくるワケです。
青森のようにオオクワ採集のポイントが狭い範囲に少数しかない場合、ライトのワット数や照射方向を間違えると結構な割合で干渉し光がぶつかってしまいます。

彼が陣取った位置の直ぐ近くのポイントへ様子を見に行ってみると、予想していた通り同業者の物と思しきライト機材が現場にセットされていました。
このポイントは青森ではかなり有名なライトトラップのポイントで、観光スポットで分かりやすい場所の為か県外から来る人でも最初から候補に入っている(と言っても過言ではない)場所です。
停めている車を見ると、地元ではない埼玉県のナンバー。やはり県外勢にも有名なよう。
しかし、そこに展開され待機する機材を見てNo.7は唖然としたそうです。
「あ・・・ありのまま 今起こった事を話すぜ!」・・・と動揺したポルナレフが必死に解説しそうなくらいにまったく理解を超えていた光景だったそうですが、何が起こっていたかと云うと、
スポラートに入った400ワット2灯をポイント現場内を前後に挟み込むように向かい合わせで上向きに配置し、その中間に250か400ワットの水銀灯をオープン(裸)で設置し、さらにその手前にスポラート2灯と同じような位置間隔で250か400ワットをオープンで2灯立てていたのです。
↑↑もう自分でも何を言っているのか分からないのですが、すごく簡単に言うと、
虫を落とせる面積が狭い場所にも関わらず、多すぎる灯りを滅茶苦茶に配置していた。
という事です。
どちらかと言うと、昆虫採集すると言うよりは「誰かそこで歌うのか」と言うような置き方。
地元採集者をはじめとして、そこでライトをやっている者の間では既にセオリーは出来上がっており、400ワットをあまり上に向け過ぎず一方向のみに射すのが一番手堅いやり方だと分かっているのです。
それを考えると、この置き方は「やり過ぎ」なだけでなく、No.7のポイント方向にも容易に干渉しお互い大爆死する危険性が非常に高いワケです。

ちょうどその場に設置した本人が居たようなので、
「自分は地元の採集者でこの裏でライトをかける事」
「この配置ではこちらに光が干渉してしまいしかもオオクワも落ちてこなくなる事」
「ここでやる場合の適正なライトの当て方」
を説明したのだそうですが、全く意向を汲み取ってくれず、
「初めて来たけど今日しかチャンスが無いからこのままでやる」
そしてその根拠として「このやり方でもう10年やってるからこのやり方でやる」と云う事で突っぱねられたのだそうです。

以前、全く別の採集者に干渉の断りを入れた際に、有力な採集者の名前を使って「**さんはこうやってたから!」と自分のやり方を曲げなかった人が居た事もあり(ちなみにこの時は完全な嘘出まかせで、**氏本人に確認済みでそれはデタラメだと認定しています)
「##さん(有名な方)もここに来た時はそういう風にしてオオクワ採ってるんですよ」と説明してみたものの、
「そんな人知らないよ」と頑なに変えようとしないその人の態度にもう呆れて馬鹿馬鹿しくなってきてしまい、喧嘩に発展する前に泣く泣く引き下がり、その夜はライトトラップは出来なかったそうです。
(これを読んでいる人の中には、「いやそれでもやらないよりはやっておいた方がマシだったんじゃない?」とお思いの方も居るでしょうが、これまで仲間内の体験やデータ収集を集積して行き着いた結論として、両ポイントのどちらか一方でも無作為な乱射を行った場合酷い結果になるのは間違いないのです。勿論自分も体験済みです・・・)

その後別ポイントで焚いていた仲間と合流し、No.7の代わりに後輩が例のその人の所まで行き状況をそれとなく訊いたところ、見事にゼロだったそうです。

別のライン上に居たFH鈴木さんも、車両通行を妨害する位置でライトを焚いている人がすぐ近くに居たりして相当苦戦したそうです。これもお盆と云う時期柄、採集者の飽和状態が招いてしまった出来事なのでしょう。


ちなみにこの夜自分はと云うと、
一人下北半島で虫の来ないライトトラップをボーっと見つめていました。


  8月14日(火)

この日も自分は十和田市外への採集なので、No.7を軸に話を進めます。

前日までのメンバーに加え、さらにもう一人東京都から来ている方が今夜十和田で採集したいという事でNo.7が先導して案内することになりました。去年記事に書いたMU氏その人です。
彼は今年HIDハンディライトを入手しライトトラップデビューしていて、家族に縁のあるこの青森で採集をしたいという事でこの運びとなったのです。

しかし昨日に続いて今はまだ盆の真っ只中です。
場所取りは上手くいくのだろうか・・・と心配するMU氏や自分に、
まだ午前中にもかかわらずNo.7から予想の斜め上をいく連絡が入って来ました。


No.7 「付近のポイント全部押さえました。」

昨晩の一件で相当はらわたが煮えくり返っていたらしく、現地の民宿に泊まり込んでいた後輩や客人らと総動員で各自ポイントを確保したのだそうです。
目的は勿論、実質的な採集妨害行為をする人間に邪魔されず、狭い範囲内でお互いを潰しあう事無く採集をする為です。
No.7はこの日、埼玉の人が昨晩居た有名ポイントに入ることになりました。
まるで昨日の憂さを晴らすかのようですが、実は今年彼にはこのポイントで大事な用があるのです。

CA3I0270.JPG
それがコレ↑↑
今年6月のシーズンのはじまりに彼の元へ飛んで来た46mmの特大♀
これこそ正にこのポイントで採った個体であり、どう見ても未交尾のこの♀に、あわせる♂が採りたいという事で気合を入れずにはいられないのです。


さてその夕方、自分は市外のポイントへ向かう前に十和田のライトトラップポイント各所をサラッと覗きに行ってみることにしました。
しかし何故かこの日は、採集者の待機数が昨晩の採集者数と比べてかなり減っています。
居る事は居るのですが、意外にも地元ナンバーがほとんど。
ちょっと拍子抜けですが、少ないに越したことはないのでそのまま安心して十和田を出ました。


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夜も深まり23時
結局自分はいつものように本命のオオクワは手に出来ずに終わり、オニクワやコクワ、そして人生で初めて採集したヨコヤマヒゲナガカミキリなどを土産にライトトラップを終了。
MU氏やNo.7がどうなったか気になってしょうがないのでこのまま十和田へまた向かってみることにしました。


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  8月15日(水)

日付が変わり深夜、
No.7のポイントへ向かってみると明かりが見えました。まだやってたのか・・・!!
車を停めてNo.7の元へ行くと、そこには愛知の客人、そしてMU氏も居ました。

点灯開始から5時間経っているにもかかわらずテンションの高いままの彼らが見せてくれたものを見て、自分も運転の疲れが一気に吹っ飛びました。





CA3I0499.JPG
♂65mmUP!!!!!
彼の「46mmの♀にあわせる様な大歯の♂が採りたい!」と云う願望がまさか現実になるとは・・・彼も相当努力したのは間違いないのですが、それでも「いや、ウマくいきすぎでしょ!!!」と思いたくなる夢の展開です。彼も初めての大歯(片方先端欠けですが)で、この盆の最中という事なども含めてこの貴重な体験が出来て本当に嬉しそうです。鈴木さんの方の見解ではこれは2次発生の新成虫としていますが、大腮に喧嘩傷のような線が複数あり、自分はこれは越冬か1次発生の♂で2次発生個体に負けて飛んで来たのではと思えてなりません。

話を聞くと、実は途中から現場の上の方にひっそりとライトを点けていた人が居たりして、半ば諦めかけた23時頃になって飛んで来たのだそうです。


その時の説明や雑談を交わしている内に時刻は1時
そうこうしている間に溜まってきた普通種を拾ってたら目の前に今度は♀が落下!!!

えっ、今何時だよ!? と皆でおかしなテンションになっていき、
自分も居てもたってもいられず他のポイントへ急遽2回戦目を挑みに行きました(笑)
・・・結果、すごく怪しい重量級甲虫が見慣れない水平旋回をしながら風に流されていくのを見ましたが、結局正体不明のまま闇に消えていき諦めて撤収しました。

その後3時過ぎに戻ってみるとまだ彼らは虫を広げて談笑していました。
東の空が明るくなり始めた頃、ようやく長い盆採集は終わりを迎えました。





第2章 青森県での採集の傾向とトラブル

さて、第1章ではこのお盆の間の採集の一部を、No.7らが体験したトラブルも交えて書きましたが、有名な産地と云うのは日本全国どこでもトラブルが大なり小なり毎年発生しているものと思われます。

メインの採集方法が地域によって違えば、トラブルの種類もそれぞれだと思います。
東北は基本的にライトトラップなので、それに関連したトラブルを多く聞いたり、時として体験することもあります。時折どこかのブログやホームページで、競合者とのトラブルや嫌な同行者に付き合う羽目になったなど人間関係の揉め事を実体験として紹介しているのを目にしますが、やはり誰しもマイナスのイベントを積極的に書くことは気が進まないのか、あまり書きたがらず、ただ愚痴を書いただけで終わる場合も多いですよね。

そこで今度は、青森県において考えられる(他の地域は分からないので)対人トラブルの種類について紹介していきます。



・・・と、その前に少し、
オオクワメインのライトトラップを行うにあたって青森県の特徴を、自身の体験やいくつかの資料を参考にして自分なりにまとめてみましたので解説を交えて紹介してみます。
トラブル回避の参考にもなればいいのですが・・・

〈1〉 東北の中でも本県だけ天候が違う日が多い
採集シーズンになり毎日天気をチェックしていて同じように思う人も居るかもしれませんが、東北の他の5県が採集日和だと云うのに青森だけ天気が悪いなんてことは結構あります。
アメダスの観測をチェックしても、他が20℃以上保ってるのに青森だけ17℃・・・なんて日はザラにあります。これは緯度の問題もあるのでしょうが、秋田‐岩手まではちゃんとコンディションが保たれていながら青森に移った瞬間何故か一気に悪くなるんですよね。
その逆に、他の5県が悪い日に青森だけ良い条件だったりすることもたまにはあるんですが、ここ近年のパターンからすると前述の悪い日に当たることの方が多いです。


〈2〉 オオクワガタを採り易いエリアがとても狭い
青森県でオオクワガタと言うとまず真っ先に思いつく生息地が、十和田市(の旧十和田湖町)であることは間違いないと思います。一昔前からすでに書籍でも紹介され、この地区に安定した個体数が生息していると云うのは採集している方であれば分かるでしょう。

他にも県内には生息が確認・記録されている市町村が複数あるのですが、実際のところ採集された数と云うのは過去青森県内で採集されている総数から見ると割合にして1%程度(あるいはそれ未満)で、あとの99%は全部十和田市なのです。

青森県以外の東北5県で採集されている所を調べられる分で把握しても、
各県とも広い範囲に生息地が知られいくつもの産地が流通しています。
勿論この中には、青森の十和田市外産地のように稀にしか得られない産地もあったり、今では採集に規制がかかっている産地もあるワケですが、こうして各県で様々な地域にポイントが点在しているのに比べると、青森県でまともに得られる産地は十和田市のみ。
その十和田だって、簡単に採れるかって言ったら前述の〈1〉で言ったように気象条件が厳しく採れない日もよくありますから、十和田と言っても他県と比べたって甘く見られないワケです。

そうなれば必然的に青森産狙いの採集者は十和田に一極集中するワケで、緊張感も高まりトラブルが起こりやすくなるのです。


〈3〉 採集者が一極集中するタイミング
これについては、読んだ人それぞれ意見が違うかもしれませんが、
県外から来る人が青森で採集するタイミングと云うのはある程度の傾向があるのではと思います。

それはズバリ、大型連休の中盤

東北6県に新潟を含めると、かなり広い範囲にオオクワ採集ポイントが存在します。
関東辺りから遠征で採集しに行く方々の中には、特定の県に拘らず各県を順繰り回って連休中に毎晩採集するスタイルの方も多いと思われます。
オオクワガタの成虫がライトトラップで得られる時期にくる大型連休と云うと、言うまでもなくお盆休み期間となるワケですが、これを人の移動を想定した図で表すと以下のようになります。

お盆のオオクワ採集 青森県の場合.png
日本海回りで青森で折り返し太平洋側に移動して行く場合と、
太平洋回りで青森で折り返し日本海側に移動していく場合の2パターン。
勿論、遠征時に青森を省く場合やその他色々な進路で採集している人も多いのであくまで一個人の所感ですが、今年のお盆の十和田事情を見聞きする分では、
盆の中頃にあたる13日(月)が最も採集者が多く、その前後はやや人が減った
と云う事で、「あぁ、東北遠征の折り返し地点で両者が集中するから・・・かなぁ」と思ったワケです。




ここまでが自分の感じている青森県の傾向です。

それではここから本題の、地元で起こる悩ましいトラブルの代表例を紹介していきます。
一部実際の例や対策も紹介していきますが、こうしたトラブルを招かない為の参考になればと云う意味合いを込めているだけで、別に自警団を気取ろうとしているワケではありませんのでご理解ください。

〈1〉 接近・通過する車両に対し遮光しない
ライトトラップのポイント自体、車道のすぐそばである場合も多く、夜間でも車両が通る事はあるワケです。
車道とは反対側に照射するなら構いませんが、車道側に照射するという事は車に向かって照射するという事と同じ意味なのです。しかも、ライトトラップで使う照明と云うのは車のヘッドライトの何倍~何十倍も強い光ですから、ハイビームもロービームも関係なくドライバーからすればライトトラップは光害に他なりません。

この場合、厳守すべき措置としては、
車両が近づいてきたら照射を板で遮断するか消灯する に限ります。

十和田でもこの件で度々トラブルが起こっているようで、その当事者は地元採集者も県外採集者のどちらでもあるようです。


〈2〉 私有地や採集禁止区域でライトを設営する
ライトトラップが半ば一般化した事で皆当たり前のように場所取りしてライト機材を広げていますが、山や他人の敷地に入って一定の面積を陣取り昆虫を採集している時点ですでに軽犯罪にあたります。・・・ここで今のマニュアル脳の20代30代の理屈で物を言ってしまえば、「昆虫採集者=犯罪者」→「断罪しろ! ネットにさらせ!」と云う極端な理屈に走りがちですが、法に対する昆虫採集者の立場としては「土地所有者の下で昆虫採集を見逃してもらっている」と云うところです。
これまでの昆虫採集史において、全ての知見・研究が国などの許可を得て得られたものとは限りませんし、昆虫採集が研究者・アマチュア両者の努力の下で今日まで続いてきたのは揺るがざる事実です。
それもこれも、地元の理解があってこそ続いてきたことであり、残念ながら近年はトラップ・ゴミの放置問題や採集と関係もしくは無関係な破壊行為、地元住民との衝突など、これまでの認識を改めざるを得ないトラブルが増えて採集禁止を決め込む場所も出ています。
昨今の事情を知る諸兄におかれましては、それらの採集禁止が「環境保護(のブーム)」を笠に着た「採集者の排除」が理由とされている事だと理解しているものと思われます。
採集する我々が配慮を怠り、実害を受けると所有者や近隣住民が判断した時が全ての終わりになるのでしょう。

この項目については、
「昆虫採集には許可を採らなければいけない」と断言するものではなく、あくまで「勝手に採集させてもらう側として迷惑が掛からないよう最大限努力しなければいけない」のだと理解していただきたいのです。

勿論、「採集禁止」とされている場所で採るのは当たり前にダメですよ。


〈3〉 行き止まりでない車道の片側車線を塞いで設営している
これも前の〈2〉と同じような部分を含んでいますが、道路の所有が・・・と云った話以前の問題で、〈1〉にも増して直接的に危ないです。
道路交通法にも抵触し刑法(往来妨害罪)にも触れる危険があります。
道路が行き止まりで往来がまず見込めない状況については立件されることは低いと思うのでこれについては除外しますが、通常において車両が走行中避けなくてはならない位置でライトを焚いているのは非常に危なく迷惑だと言えます。

しかし、どこだとダメでどこだとセーフかなんてのは、その場所場所で事情が違い、一概には決めつけられない部分もあるので難しいですね。


〈4〉 近接する他採集者と光が干渉する
自己流で採集している方にはこれがなかなか理解してもらえません。
お互いの光が干渉してそれが結果として悪い成果に終わったとしてもそれが原因だとは感じない人も多いし、実際判断するのも難しい部分があります。
しかし、光が干渉してしまうと、その干渉した地点から見ている虫からすればどの明かりを頼ればいいかワケが分からなくなり、特定の明かりが決まらず虫は寄ってこずにその場でウロウロ飛び回り動けないまま停滞してしまいます。
特に山の両側斜面からライトを向けている場合、山の稜線より上にライトを向けると相手側まで光が通ってしまい干渉して虫が寄り付かなくなるワケです(No.7はこれで注意に行ったワケです)

ネットで採集記を読み漁っていると、「〇〇さんは合計・X000ワットで凄いですね~!」とか「驚異の?000ワット! 眩しすぎ~!」とか書いてあるのを見かけます。大光量信仰が悪いワケではありませんが、十和田のような狭いエリアに採集者が密集する場合は干渉が起こりやすいので、自分のところで間に合うだけのワット数にセーブした方が後々のトラブルを回避できると思います。
ただ、青森以外の地域となると門外漢なのですが、多産地だともう「干渉が・・・」とか言ってられないくらいお隣さんが近かったりするんでしょうかね。


〈5〉 ゴミを捨てる
これも当たり前の話でライトトラップに限った話ではありません。
煙草の吸い殻や飲み食いした後のゴミ、人が見ていない山の中だからか自制心が利かない事があるのでしょう。
ただこれも、〈2〉の通り我々は土地所有者に迷惑を掛けない代わりに採集させてもらってる側の立場です。自然環境や昆虫の何たるかを理解し、その恩恵に預かる者として一番恥ずべき行動であるのは間違いないでしょう。

また、採集場所が日中人が多く立ち寄る観光地だったりする場合、ゴミの他に雑虫の死骸を散らかしたままにするのもトラブルの原因になるので避けたいところです。撤収時に箒で掃き除けたりブロワーで吹き飛ばすのが面倒で、殺虫剤でもろとも殲滅したい日もあるかも知れませんが、大量の死骸をその場に放置すると翌朝なんとも見苦しい光景になっており他の人から見れば不快に思われるでしょう。


〈6〉 他人のライトトラップ現場に無礼な形で入っていく
これは自分はまだ体験したことはないのですが、人の邪魔をするような形で現場に入っていったりその現場で勝手に虫を採っていくと云うような迷惑行為があるようです。
県の内外を問わず、とんでもない人がいるそうで書き連ねるだけで1個の記事ができ上がってしまいそうなので具体例の紹介はやめておきますが、人のライトトラップ現場を訪ねる際は、大袈裟でしょうが「人の家にお邪魔する」くらいの気構えでいた方がいいのかも知れません。


〈7〉 先行者待機中の場所に割り込んで設営する
基本的に十和田の場合、場所取りは採集者がその場に待機しているのが基本で、
採集者に人気のあるポイントだと、「自分はこの後ここでライトトラップする為にもう場所を取っていますよ」と云う意思表示の為に自身の待機に加えて機材の一部を現場に置いてアピールする場合もあるのですが、その場所取りをしているにもかかわらず、後から来て自分の機材を先に組み立てて横取りする人間がいるようです。
また、似たようなケースで、「一緒にやろう」と強引に同じ場所で機材を広げるような者も居るのだそうです。怖ッ!!


〈8〉 教えてもらった場所へ次回から無断で通うor他人に教える
ファーブルハウスの灯火採集マナー集から引用すると、

“新しいポイントを探す際は、・自分で見つける ・人に教えて貰う ・他人がやっている所を盗み見る のいずれか”

とあり、まぁその通りなのですが、“他人がやっている所を盗み見る” がトラブルに繋がりかねないのは説明するまでもないにせよ、この中で意外とデリケートなのが実は “人に教えて貰う” だったりします。
手癖が悪い人の場合は盗み見て、人の世話になりたくない人の場合は自分で見つけますが、人に教えて貰うと云うのはある種一番楽でもある反面、その前後の行動や態度には細心の注意を払う必要があるのです。
何しろ、教える側にとってみれば自分の財産を人に分け与える事と同じだからです。
教わる側は気にしてなくても、教える側はその相手がどんな人物で約束事を守れるのか、信用していいのか判断してからでないと教えたくはないものです。
ネットなどでよく見る「〇〇市でクワガタがよく採れる場所を教えてください」なんて質問、尋ねる側は「美味しいケーキ屋さんを知っていたらそのお店教えてください」感覚なのでしょうが言ってることは「あなたの貯金がある銀行のカードと暗証番号を渡してください」っていきなり訊くのと同じです、極端なたとえですけどね。

教わったからと言って、あとはあんたに用は無いよ勝手にやらせてもらう・・・と云う態度では教えた側からすると手のひら返しも甚だしいですよね。
場所を教わったからといっても、原則としてそれはその時限りの事であり、次にまたやりたい時には教わった本人に断りを入れるべきで、よほど人の目に触れ他からバレる場所でない限り、「好きにやっていいよ」と許しが無い内は好き勝手にその場所に入るのは止めるべきでしょう。

また、さらに悪質なのは、教えて貰ったポイントをその人の許可も無いままに第3者へ教えてしまう事です。
こうなったらもう手の施しようがなく、最悪の場合は教えた人が連鎖的に次々損を被り続ける結果を招いてしまうでしょう。


〈9〉 ポイントを無闇にSNSで公開する
これも〈8〉の派生型で、ライトトラップのみならず最も悪質な行為です。
過去にも、書籍やホームページなどで「生息地がネット上にさらされてしまい荒らされた」などと嘆いているのを見てきましたが、ライトトラップもごく限定された場所で1ヶ所につき一晩1組しかそこで採集出来ない性質を考えると、ピンポイントで採集場所を公開すると云うのは、誰彼構わず採集者をそこへ流し込みトラブルの温床に変えてしまう事と同じなのです。
十和田でも、情報源が主に本だけだった時代から、あぁあそこかと分かるような文章や写真も載ってはいましたが、それでも分かる人にしか分からないギリギリのラインでした。当時は時代も時代でしたのでしょうがないですが、今の情報社会ではもうそれ以上詳しい描写は控えるべきだと思っています。
【イイね】が欲しいだけの理由で、他の採集者が損をするような事は決してしないでほしいのです。

ところが遂に去年、とんでもない物が見つかりました。
ツイッターに十和田のポイントが思いっきり載せられていたのです。場所の全景を画像で載せて「オオクワ」や「一番飛んでくる場所」だとか、更には場所の具体名まで・・・
確かにそこは県内では一番有名なポイントで県外勢からも知名度は高いのですが、これまでに書かれてきたどの採集記においても具体的な地名や説明は書かれていません。
当時仲間内で話題になり、そのツイートは消してもらって終息したのですが、いつまた同じ事が起こっても不思議ではありません。(ちなみにこの時ツイートしていたのは神奈川の人で、有名な場所だから載せても大丈夫だと思っていたらしい・・・しかもその後も危なっかしいツイート続けているようで)

前にも書いたように、我々採集者は「余所者としてそこで採集をさせてもらっている」立場の人間です。写真を撮るなとは言えません(自分もブログでさんざん載せてますし)ただ、観光名所紹介感覚で指さす様に「ここです」なんてやるのは間違ってもしないでいただきたいです。





いかがでしたでしょうか? 長かったでしょう? ゴメンナサイ・・・
中には自分も体験したと云う方や、初めて聞いたと云う方も居るでしょう。この他にも書いていないけど「こういう事があった・こういう事も大事」と云う事もあると思います。

昔は一部の虫屋がやっていただけのライトトラップも今ではクワガタの有効な採集法として認知され、爆発的にその数が増えています。
採集者人口が増えた事で次々と新しいトラブルが増えるようになってきて、それまで気にしていなかった昆虫採集者でない一般の人達からもそのあり方や挙動に厳しい目が向けられるようになってきました。
その為に我々も我が身を振り返り、行動に気を付けていかなければならないのです。
同じようにトラブルやマナー違反を体験した人達は少なくないでしょうが、注意喚起を呼びかけるにしても「他の人が困るからこうした方が良い、でもこれは自分が思ってそうしているだけで他人に押し付けるつもりはない」とあくまで及び腰な提案に留まる場合が多いように思えます。しかし、地元のみのルール仲間内だけのルールは別として、配慮しなければいけない事厳守しなければいけない事は確実に増えてきています。それはどこかの法律に則っている部分もあれば、ルールブックに無い事だろうが採集者同士が守るべきだろうと暗黙の内に共有していく部分もあるのです。
昔はそんなこと言われなかった、誰かがルールで決めた事じゃないのならそんな指図には従わない、と云うのは採集者密集地ではもはや通じないのです。

この青森でも、この数年間の内に色々な話を耳にし時には体験する事もありました。
徹底している訳でないにしろ・・・、採集者同士がお互いに悪い気分にならない為に、または地元の住民に迷惑がかかる危険を避けるために、注意や提案を行う事も自他含めてありました。
その上で、迷惑や害が今後も及ぶ可能性が高いと判断した人達も少ないながらも居て、かなり攻撃的な言葉になりますがその人らはもうこちらの地元では「敵」であるとして認識を共有しています。
(後で聞くと、その人達って他の道県でも嫌われているらしいですね)

誰だって失敗はするし自分も過去に何度か失敗はしています。しかし、それを他の人が失敗しない為の教訓にはできます。
必ずしも自分で失敗して学ぶ必要はないのです。


自分もまた、人に見られる側だと云う意識を持ちつつ、 
マナーとエチケットは守って採集を楽しみたいと思います。

・・・無茶はすると思うけど(笑)



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ぶなちろ

採集記事、ライトトラップ記事とても勉強になりました。
ここ数年、ライトをする人が増えたような気がします。自分は機材を持っていないので、汗水流しながら一人でもくもくと樹液採集しています。
ライトは制限なしで簡単に大量採集できるため、余分をネット等で販売する人もいるようです。いっそのことライトトラップも釣りのようにキャッチアンドリリース「乱獲を招くので採取しても持ち帰らないこと」という法律があった方が自分はよいと思います。
by ぶなちろ (2018-08-20 21:38) 

会長

ぶなちろさんこんばんは、

平成に入り急速に発展したクワガタ用のライトトラップはまだ歴史が浅く、それでいて新規参入者も多いとおいそれと各個人の良識だけに任せられないと思いこういう記事を書いてみました。
だからと言って皆の目に触れる場所ではないでしょうし、読んだからと言って実践するかもまた別問題です。ライトトラップを記事で紹介する者として、フワッとしたエチケット頼りにせずこうして厳しくマナーについて注意喚起するのも責任の一つかなと思ったワケです。「たかが一個人が何様だ・・・」と思う人もきっと居るんじゃないかとも思いますが、そんな個人一人一人が黙りこくって知らんふりをしていると、採集者が増えるに従いトラブルの数も比例して増えていくのではと心配でならないのです。

ライトトラップの性質上、採れる時はもう嫌と言うほど採れるので、自分も個人の無計画な大量出品は増えないか心配です。
ただ、適度な小遣い稼ぎ・・・くらいなら何でもないとは思いますが、どこまで倫理的にセーフなのかボーダーが分からないのでまだ自分の尺度でしかOkかOutか考えられないのが歯痒いところです。
しかし、ヤフオクで見ていると、自分が見る限りはライトトラップによるものよりも樹液採集で無差別に根こそぎ採集してまとめて大量出品している方を多く見かけました。しかもそうした出品に限って、詳細内容がテキトウな走り書きだったりで、結局採集方法は何であっても根こそぎの人は居るんだなぁと思っています。
個人の管理能力を超えた根こそぎ採集は自分も大反対ですね。

ちなみに、自分はライト機材を手に入れる前はもっと楽な採集方法だと思っていました。自分にとってライトトラップは、『汗だくでヘロヘロになるどギツい採集法』です。
by 会長 (2018-08-22 20:17) 

はぬる

あの…
そこまでおっしゃるのなら、何度も〇〇・△△を何度も引き合いに出すのはやめていただきませんか?
私は〇〇で街灯巡りのみでオオクワガタ採集をしています。採集方法に対する立場を申し上げますと、材割り採集は煙幕・洞壊し同様に絶対に許してはいけない採集方法と認識しています。ライトトラップに関しては、材割り採集ほど否定はしませんが、よく思っていないことも確かです。
近年、〇〇にも多くのライトトラップ採集者が押し寄せ、ある地区ではライトトラップが禁止されました。他の地区の住民も同様にかなり苦々しい思いを持っており、県名のレベルであっても、ネットに地名を出されるのも嫌だと思います。容易にこの自治体が連想されますから。私自身、ライトトラップ採集者の手当たり次第な採集結果には忸怩たる思いがあります。(私が一年で採る数のオオクワガタをたかだか1~2時間で採集してしまうわけですから、私にとっては異常な行為です。また、有力な街灯ポイントの近くでライトトラップされた日には、憤り以上のものがあります。こっちは10度採集に出て何匹採れるかと言うレベルでやってるのに…!干渉以前の問題でその一度が潰されるわけですから)
今さら手遅れかも知れませんが、そんな採集者の呼び水にならないように、せめて県名レベルでも地名を出さないで欲しい、と思うところです。
by はぬる (2018-08-28 10:09) 

会長

はぬるさん、ご意見有り難うございました。

確かに今回、青森での問題を中心に扱う中で他県を引き合いに出すのは配慮に欠けていたとご意見を読んで思い、慙愧の念に堪えません。
記事は該当箇所を修正し、また勝手ながらはぬるさんのコメントの地名部分を隠して表示させてもらいました。
そちらの地域の方の貴重なお話をお知らせいただき勉強になりました、こちらでも採集や記事を書く上で今後に生かしたいと思います。

by 会長 (2018-08-28 10:21) 

はぬる

すばやい対応ありがとうございます。
地元の人たちも喜べる採集ができればいいなと思います。
地元の人たちも昆虫採集そのものには否定的ではないでしょうから。
by はぬる (2018-08-28 11:26) 

会長

いえいえ、永く楽しめる分野として昆虫採集がお互いに地元に残り続けてほしいものですね。
by 会長 (2018-08-28 12:33) 

ぶなちろ

ライトトラップ、約7年ほど近く前に子どもと1度だけ見学しました。あの頃よりも人が増え、問題も生じているようですね。ネットサーフィンすると、ライト採集の楽しい結果を記事にしているのがほとんどなので、深刻な問題が生じているなんて全く知りませんでした。今回記事にしてくれたことで初めて知りましたよ。
自分自身、クワガタ以前に深夜の長距離運転は(あおり運転されたり、居眠りや対向車のライトが眩しくて)事故になりそうなので、怖くてできません。だから、皆さんのライト採集の記事を見ると羨ましくなるので、夏前にヤフオクで地元産ブリードオオクワガタを初購入して飼育していますよ。おかげで記事読んでも羨ましく感じなくなってきました。(最近はオオクワガタよりも7◎超ミヤマクワガタ♂の方が高価値のようですが・・)
自分としては機会あれば「ブログの記事を書くために」またライトトラップを見学したいものです。
キャッチアンドりリースになれば採集数を競い合うことも、場所取りのトラブル等もなくなると思います。昆虫に限らず、人間の所有欲は対象物が何であれ底なしですからね。 (再度のコメント失礼しました)
by ぶなちろ (2018-08-29 22:35) 

会長

ぶなちろさんどうもです、

7年前と比べると、場所によってはガラッと採集事情が変わってしまった所もありますね。今では採集禁止の自治体も当時はオールOKでしたが、その中の一部でさえ禁止される一歩手前の状態であったと思います。今回取り上げた具体例も、自分が今まで見聞きした中ではまだやさしい方で、採集者と非採集者のトラブルや警察沙汰などはこれ以上にたちが悪い場合もあります。最近ではこれまでに考えられない威力的な爆光を灯す人が現れ出したと云う話も聞こえてきました。
記事では採集者としてこう在りたい、と云うスタンスも書いていますが、考え方は人それぞれで、「自分らはそもそも夜の山でライト付けてるような変人に変わりないんだからマナーの啓発なんてできる立場ではないんじゃね?(笑)」と開き直る人も居るかと思います。

あくまで自分の主観ですが、以前からオオクワガタと云うカテゴリーだけは、採集派と飼育派の間には深い溝があると感じています。
今の時代では割りと二極化が進んでいる感じです、だから自分はちょっと「オオクワやると疲れるな・・・」と思ったりもするんですが、虫自体の魅力はすさまじいので、自分もぶなちろさんもこれからまだ知らないオオクワガタの楽しみ方を発見できると思います。昆虫採集は昔から現物証拠を残すことが大前提なのでキャッチ&リリースはちょっと難しいかなとは思いますが、こちらではオオクワも多産地で一度に採れすぎた場合、気に入った個体以外はリリースしている地元採集者も居ますので、ライトトラップによる採集でブレーキを掛けると云う意識も広まっているのではないかと思いたいですね。

このブログも、飼育と採集の両立で成り立っています(のハズ)から、色んな視点で見てもらえると嬉しいですね(そのためには分かり易く書けないとダメですナ)。
by 会長 (2018-08-31 18:35) 

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